約 4,089 件
https://w.atwiki.jp/pararowa/pages/294.html
Nobody to watch over me ◆Z9iNYeY9a2 ―――――――Intrude 「最低でも6人以上、あるいは10人以上、という可能性もあるか…」 それはゼロが間桐邸の傍を通りすがった時のこと。 人の気配を感じ取ったゼロは、屋敷の近くから様子を伺っていた。 襲撃するか否かの判断のため、気配、自身の存在を可能な限り抑えるようにギアスを使う。 もし仕掛けるのであれば先手を取るに越したことがいい。 そうして様子を探った結果、屋敷内にいる人数は想定以上であることが分かった。 (仮に非戦闘要因がいるとしても、最低三人以上が戦闘能力を持っていると見たほうがいいな) オルフェノクか、魔法少女のような者か、あるいはまだ知らぬ何者かか。 例え戦闘力を持っているのがこれまでの己の常識に当てはまる程度のものであれば、例え一軍を相手にしても遅れを取らぬほどの能力は持っているつもりだ。 無論それをやっては相手の警戒心を煽ってしまったり無用な力を使ってしまう可能性もあるため黒の騎士団などを操ってきたのだが。 この場所ではそのような長期的視野で見ることに大きな意味は無いとゼロは考えていた。 先の2度の放送の脱落者を合わせれば、残り一日と経たずに殺し合いは終わるだろう。 それが殺し合いに反対する者の勝利となるか、それとも主催の狙い通り最後の一人まで殺しあってのことになるのかは分からないが。 しかし同時に、この場における戦闘力はこれまでの常識とは異なっている。 ただの軍人が3人程度なら例えKMFを持っていたとしてもそう苦戦はしない。 が、この場で相手にする者達はそれとは異なっている。 これまで戦った者達でも、3人集まれば戦い方次第でこちらに食いついてくる。 増してや4人、5人と人数が増えればそれだけ不利となる。村上や木場の乱入で一度は撤退せざるを得なくなったあの時のように。 この場は一旦放置し、木場と合流した後仕掛けるか、あるいは分散した際に各個に倒していく方が利口だろう。 今連れているロロは暗殺、奇襲能力に向いた力を持っているがギアスが効かない相手がいるか、あるいはギアスのタネが割れていれば高い効果は上げられない。 「どうしたの?兄さん」 思考するゼロに、純粋な笑みを向けるロロ。 その顔に浮かぶ表情は暗殺者としても処世術によるものではなく、彼自身が心を許した相手にしか向けないだろうもの。 つまりは、今のロロにとっては自分は完全に彼の知る”ルルーシュ”ということなのだろう。 「あそこにいる人を殺せばいいんだよね?僕ならできるよ?」 都合が良くもあるが、しかしそれでもむず痒い想いがないわけでもなかった。 そんな感情を抑えて、ゼロは”ルルーシュ”の声色で話しかける。 「ああ、だがお前のギアスは多数の人数を一度に殺すには向いているわけではない。 それに、万が一ギアスの効かない相手がいた場合もまずいだろう」 「…それは、確かにそうだけど」 ロロの言葉が若干歯切れの悪くなっている様子を見て、そういう相手に出くわしてしまったのだろうと推測を立てるゼロ。 そうなら尚更慎重に行かねばならない。 「向こうで手を組んでいる奴と待ち合わせをしている。 殺すというのならばそいつと合流してからでいいだろう」 「うん、分かったよ兄さん。兄さんの言うことはいつも間違ってなかったもんね」 「ああ、そうだな」 そうしてゼロはロロから視線を外し、間桐邸に背を向け足を進め。 ロロはそんなゼロに静かに付き添って歩いて行く。 笑みを浮かべたその瞳に喜びと、深く大きな闇を写したまま。 ―――――――Intrude Out ◇ ―――――――IntrudeⅡ 「………」 「………」 「えっと、あの……」 そんなゼロの襲撃の危機から逃れたことを知らぬ一行が、ゼロ達の歩んだ道と同じ場所を歩いていた。 歩くのは3人の少女。 しかし華やかで華奢にも感じる一行に見えるが、その実全員が高い戦闘力を持ったチーム。 美遊・エーデルフェルト、セイバー、長田結花。 殺し合いに乗った者の襲撃を受けている者がいるかもしれない病院へと向かうために戦うことができるメンバーで組まれたチーム。 うち、長田結花は美遊、セイバーの両名にちょっとしたものでこそあるが関わりを持っていた。 だがセイバー、美遊の間に直接的な繋がりは薄い。 そんな空気を少しは気遣って話しかけたりもしていたのだが、やはりこの空気を変えることはできなかった。 結花は知らないことだが、美遊にしてみればセイバーという存在はかつて敵対し自分達を最も追い詰めた存在であり、加えてこのセイバーは”衛宮士郎”を殺した者だ。 確かにその事実を、そしてセイバーのこともイリヤは受け入れた。だが美遊にしてみれば分からないことも多く受け入れる以前の問題だった。 先に述べた二つの事実もあり、セイバーに対しどうしても余所余所しさを隠せず、セイバーもまたそんな美遊の様子を察して踏み込むことができず。 そうして生まれてしまった微妙な空気に結花は居心地の悪さを感じていた。 『結花様、申し訳ありません』 そんな結花の心中を察したように、小さな声で結花に謝罪するサファイア。 「あ、いえ…、別に謝られるようなことは無いんで、気にしないでください」 悲しいかな、この場にはムードメーカーとなりうるような者はいなかった。 故にこの空気を打開するには、誰かがきっかけを作るしかない。 『そういえば、セイバー様』 「はい」 そこで、ふとサファイアがセイバーに話しかけた。 『セイバー様と士郎様は、一体どのようなご関係だったのですか?』 「……」 (……?!) 沈黙を保ち続ける美遊と、その言葉の意味に気付きその質問をしたサファイアに内心驚く結花。 今の状況の大きな原因である衛宮士郎という人物のことについて聞くこと。 確かに今の微妙な空気を崩すことは可能だろうが、一歩間違えればこの危うい空気に亀裂を入れかねない。 その事実に内心肝を冷やす結花。 「士郎との関係、ですか」 『はい。大まかには我々も把握しておりますが、私としてはあなた自身のお言葉で聞かせていただきたいのです』 衛宮士郎。 他でもないセイバー自身が死に追いやった一人の少年。 美遊自身もその存在には特別な想いを持っていたことはサファイアにも分かっている。 「かつて私は彼の剣であった。ただそれだけです」 『本当にそれだけなのですか?』 「…何が言いたいのです?」 『セイバー様はどうして士郎様の剣になろうと思われたのです?』 「サーヴァントがマスターに仕えるのは当然のことです」 『そうですね。それは私にも分かります。 私は美遊様のステッキとして、例え奈落の果てまでも美遊様にお付き合いする覚悟があります。 あなたはどうだったのかお聞きしたいのです』 衛宮士郎に仕えたのは、あくまでサーヴァントであるからか。それとも士郎を本当に護りたいという想いがそこにあったのか。 それをサファイアは問うているのだろう。 「何故そのようなことを聞くのです?」 『深い意味はありません。しかしあなたは士郎様の妹であったイリヤ様を気遣っておられました。 衛宮士郎個人に特別な感情があったのではないのですか?』 「………」 そんなセイバーとサファイアの会話を聞く結花と美遊。 チラチラとサファイアが美遊の様子を伺っているのが結花には分かった。彼女なりに何か考えがあっての行動なのだろう。 少なくともそうおかしなことにはならないと信じたい。 「そうですね。確かに私が最初に彼に仕えたのはサーヴァント故でした。 しかし……」 セイバーの脳裏に浮かぶ士郎との短いながらも深い絆を抱いてきた思い出。 バーサーカーとの戦闘に飛び出して、その身を呈して自分の体を庇ったこと。 自分がかつて衛宮切嗣のサーヴァントであることを知り、かつての彼の戦いを知りながらもなおも自分を受け入れたこと。 彼と過ごした、生前の自分では得られなかった短いながらも楽しかった時間。 それは、あの闇に呑み込まれてもなおも色褪せることなく心の中に焼き付いていたものだった。 だが、 「…今の私にはその言葉を口にする資格はありません」 『士郎様を殺されたのがあなただから、ですか?』 「………」 『美遊様?』 そこまで話を聞いていた美遊がセイバーに近寄ってその目前で問いかけた。 「答えてください」 「ミユ?」 「資格がないというのなら私が許可します。返答にもよるけど、士郎さんのことも私の中で全て決着をつけます。 ですから、答えてください。あなた自身の言葉で」 「………」 しばらく気圧されるように沈黙を保っていたセイバーだったが、美遊のその真っ直ぐな瞳に諦めたように口を開いた。 「私は、せめて最後まで彼の剣であり続けたかった。例えあの泥に呑まれた後でも、その想いは変わらなかった。 しかし、私を捕えた者はそれを許してはくれなかった。だから、せめて彼の手で討たれるのであれば、とも」 「……それでも、士郎さんはあなたにイリヤや他の大切な人たちを託したのは、セイバーさんに強い信頼があったからじゃないんですか? それに対して、セイバーさんはどう思ってたんですか?」 美遊の口調がセイバーを問い詰めるようなものに変わっている。 セイバーも大人しく無口な少女だと思っていた相手の思わぬ一面に若干気圧されていた。 「答えてください」 「………ええ、私は衛宮士郎に、主と従者として以上の想いを抱いていたのかもしれません。 それが一体何だったのか、今となっては確かめようもありませんが」 「…………」 あまり煮え切っていない返答。しかし美遊は静かにセイバーに寄せていた身を離す。 その答えに満足したのか、若干だが固かった表情が和らいでいるようにも見える。 「ありがとうございます。士郎さんが信じて、あなたが士郎さんに抱いていたその想いは信用しましょう」 そうセイバーに告げ、静かに美遊は前に進む。 「…えっと」 「セイバーさん、結花さん、急ぎましょう。こうしている今も病院じゃ大変なことが起こっているかもしれません」 「あ、はい」 『美遊様、セイバー様のこと、少しは分かっていただけましたか?』 「サファイア、それが狙いだったの?」 『もしあの空気のまま戦闘になった場合の士気にも影響するかもしれないと思いましたから』 「そう…。ありがとう。少しは気が楽になれた。それに……」 『?』 「士郎さんにも、孤独に戦うあの人にも信頼できる仲間がいる世界があったんだって、それが分かっただけでも良かった」 ―――――――IntrudeⅡ Out ◇ もし歩む道の上で仲間が死したとしても、残された者はそれを乗り越えてでも生きねばならない。 例え時間がかかっても、その死を乗り越えなければならないのは残された者の義務だろう。 しかし、彼女にはその時間もまともに与えられてはいなかった。 「チュッピィ!!」 ピカチュウの体から放出された電撃が地を這い、追跡者へと走る。 しかし灰色の追跡者はその軌道を読み、当たる直前で歩幅を緩めて回避する。 灰色の追跡者、木場勇治。タケシを殺しただろう相手だ。 ピカチュウの怒りはNが思わず彼をモンスターボールに戻したいと思うほどに苛烈だった。 その抵抗があるからこそこうして撤退が成立していることもありピカチュウを止めることはできなかった。 だが、それも時間の問題だ。 「ピィ……カァ!!」 「フンッ!」 肉薄してきた木場に対し、ピカチュウはその尾を鋼のごとき硬さに変化させて振りかざす。 それを灰色の魔剣を持って迎え撃つ木場。 金属同士がぶつかったかのような音が周囲に響き。 「ピカァ!!」 小柄な体躯を吹き飛ばされるピカチュウ。 そのまま地に叩きつけられる間一髪のところで飛ばされたピカチュウをNが受け止めた。 「もういい、止めるんだ!これ以上は……!」 「ピ、ピカ…」 Nの言葉に戦闘を止めざるを得なくなるピカチュウ。 それまでの逃走がピカチュウの迎撃あってこそ成り立っていたものであった状況であった以上、そこから木場に追いつかれるまでにはそう時間は掛からなかった。 巨大な馬の四肢で地を蹴りあげ、逃げる真理達の頭上を飛び上がった木場はその逃走先に立ち塞がる。 「………」 足を止めた真理達を静かに見据える木場。 その時、その見据えた先を見ていたNは気付く。目の前にいる者の視線は、真理のことしか見ていないことに。 自分のことは眼中に入れていない。 「待て」 Nはタケシから託されたバッグから一本のベルトを取り出す。 視線をその姿に移した木場の体が僅かに反応する。 しかし真理はその光景を見て顔色を変えた。 「ダメ!そのベルトを使ったら……!」 その言葉が言い終わらぬうちに、木場は真理の体に向けて剣を振り下ろす。 間一髪でそれに気付いた真理はギリギリのところで避ける事に成功。 ―――――そのベルトを使ったら どうなるというのか。 そういえば海堂が言っていた。オルフェノクのために作られたこれらのベルトには人間が使うと何かしらの副作用があるかもしれないと。 それは間桐桜のように精神に異常をきたさせるものか、あるいは命に関わるものかもしれない。 だから、これを使う。 本来は藤村大河が持っていた謎の液体。 変身一発。 このベルトを使う時に”変身”と掛け声をすることと何かしらの関係があるのだろうと思っていたが、改めてベルトで変身する者達の姿を見て確信した。 これはきっと人間が彼らに対抗するために生み出したものだのだろうと。 「その薬は…、もしかして」 一気にその薬を呷り、ベルトを腰に巻く。 ゾロアークやピカチュウ、リザードンばかりに戦わせ傷を負わせてきた責任がある。 戦う術があるなら、自ら抗わねば理想を抱く資格などないのだから。 「――――変身」 カイザギア。ならば変身コードは語呂合わせから913だろうと直感し入力しベルトに装着し。 閃光が走り、その体を紫の光が覆う。 光の収まった時に見えたのは、紫のスーツと装甲に身を包まれたN。 「いいだろう、相手をしてやる」 ベルトの変身者であるということに興味を引かれた木場が真理から視線を外してカイザを見据える。 剣を構えてカイザへと肉薄する木場に対し、Nは冷静にカイザブレイガンを構える。 剣の一撃を刃を出すこともなくブレイガンの銃身で受け止めた。 衝撃で後ろに後退するN。しかしその瞬間、間髪入れずブレイガンの引き金を引き金色の閃光が木場へ向けて放たれた。 一直線に体に迫る閃光を、木場は魔剣で弾き返し。 次の瞬間、間髪入れずに放たれたもう一発の光弾が木場の体に命中する。 「…くっ…?!」 胸に感じる熱に微かに呻きながらも剣を上にかざす。 魔剣に青く光る閃光が集まり、そのまま地面に振り下ろされた一撃は衝撃波となって地を這い3方向からNへと襲いかかる。 不規則に流動しつつカイザに迫る衝撃波を、しかしNは正確に回避する。 が、3本目の衝撃波を避けたその時、その光の奥から灰色の剣が突き出される。 衝撃波を避けられた時の保険に木場が追撃に迫っていたのだ。 しかし。 突き付けられた剣は、カイザブレイガンの銃身により反らされていた。 「―――!」 ブレイガンが剣の軌跡をそらすと同時に自分の頭に銃口を向けていることに気付いた木場は、瞬時に顔を反らす。 顔を反らす木場のすぐ傍を閃光が掠め頬を焼く。 何故か自分が知っているそれよりも威力は下がっているものの、動きを読まれたかのような気持ち悪さがある。 苛立ちながらも木場はその至近距離で疾走態へと変身。カイザをその前脚で踏みつけようと地に向け脚を振り下ろす。 しかしNは動揺することもなく、あくまで冷静に身を翻して避ける。 (―――何だこいつは) 思わず木場はその戦い方に疑問を持つ。 あの衝撃波の避け方といい、今の不意打ちを冷静に回避したことといい。 こちらの攻撃のことごとくに驚くほど冷静に対処している。 まるでそこに攻撃が来ることが分かっているかのように。 あまりにも不気味だった。 「なら―――!!」 だったら小細工は無しだ。 力で強引にねじ伏せる。 カイザブレイガンの銃身だけでは受け止めきれないだろうほどの膂力を持って剣を振り下ろす。 銃身で受け止めきることはできないと判断したNは振り下ろされた一撃目は態勢を低くすることで回避。 その間にミッションメモリーをカイザブレイガンに装填しブレードモードを展開。 追撃の一撃を受け止める。 ギリギリと後ろに下がらされるカイザの体。 木場はそんな様子を見て今のカイザはそこまでの力を持っていないと判断する。 カイザとの戦闘経験自体を過去に持っている木場、その知識から言ってもカイザの本来の力はこんなものではなかったはずだ。 少なくとも草加雅人の変身したものであればもっと力を持っていたはずだ。 あの薬で変身したことで力が抑えられているのか、それとも変身者の力量の差か。 しかしあの予知にも近い能力は厄介だ。 剣を押し出しながらブレイガンのブレードを両断するかのように迫る木場。 ―――――Exceed charge その背後から電子音が響く。 木場は咄嗟に剣での攻撃を中断し蹴り上げる。 それも読んでいたかのようにNは後ろに下がって攻撃を回避。 すかさず木場は振り返り盾を左腕に形成、その音声が聞こえた方にかざす。 次の瞬間、赤い円錐がかざした盾に狙いを定めて木場の体を拘束。 その奥から、何者かが飛び蹴りを放ってくる光景が目に入った。 「木場ああああああああああああああああ!!」 「ファイズ!?草加雅人か!」 叫びながら木場にクリムゾンスマッシュを撃ち込むファイズ、草加雅人。 盾で防いでいるが、徐々にその体をその勢いで押し出している。 やがてクリムゾンスマッシュが木場の盾を打ち崩し、その体を吹き飛ばした。 青い炎を上げ消滅する盾、そして衝撃で大きく吹き飛ばされる木場。 「ま、雅人…?」 突如目の前に現れたファイズに驚きつつ、木場の言葉から目の前のファイズが草加雅人だという推測を持った真里はそれを確信とするために話しかける。 カイザギアが今こっちにある以上、ファイズギアを持っているのが草加雅人であったとしても何ら不思議はない。 だが、そうすると今巧はどうしているのか。 そんな真理の疑問を他所にこちらを向いたファイズ――草加雅人が発した言葉は。 「真理…?!何故君がここにいる!?君は確かに病院で……」 「え?」 何かに驚くような声だった。 確かに草加の言うとおり真理は病院にいた。しかしそれが彼の驚きに繋がるのだろうか? 「ど、どうしたのよ雅人?何か変だよ?」 「変なのは真理、君の方じゃないか…、どうして病院で倒れていた君がここにいる? あの緑色の髪をした男はどこだ!?」 「緑の髪……って、Nのこと?」 「それなら僕のことだけど、どうかしたのかい?」 警戒からか未だカイザギアを纏ったままのN。 しかし、今の草加雅人にそれはまずかった。 「お前が…、何故そのベルトを持っている! オルフェノク風情が、よくものうのうと!」 「落ち着け、君は何を言っているんだ?」 「黙れ!この化け物がぁ!!」 声を荒げる草加は、Nに向かって思い切り拳を叩きつける。 本来ならば避けることもできたであろうN、しかし一瞬反応が遅れ腕でその一撃を受け止めることが精一杯となっていた。 化け物。 異質な目で見られることこそあれ、面と向かってそんなことを言われたことは無い、はずだった。 それを今言われたところで何ら気にすることもないはずだったのに。 その言葉が、まるで心の奥底で記憶していたかのように脳内で反響していた。 まだ物心つかぬ頃に、そんな言葉を投げかけられたことがあったような、そんなとても曖昧な、しかし何処かに染み付いた言葉。 ――――Exceed charge そんな思いに気を取られふと気が付いた時には、目の前のファイズはその手に何かの機械を握るように持っていた。 その一撃はこれまでとは比べ物にならない威力のものが叩きつけられるだろう、そんな直感がよぎって尚も、それに対抗する意思が浮かび上がらなかった。 化け物。 ―――ポケモンと話せるなんて、何だか気味が悪いわ… ――――それに何だかおかしなことも口走るし、これが俺達の子供なのか? ―――森に捨てていきましょう、そして私達でやり直すのよ ――――そうだな、それがいい。こんな化け物のような子のことなど忘れて、またやり直せばいい 「………」 「おおおおおおおおおおおおお!!!」 「待って雅人!!」 あわやグランインパクトがその体に叩きつけられそうになったその瞬間、二人の間に真理が割って入った。 その振り上げた腕をすんでのところで止める草加。 カイザ、Nを庇うように立ち塞がるその真理の姿が草加の怒りを増幅させる。 「何故そいつを庇う!そいつは化け物だぞ!君も襲われただろう!」 「だからさっきから何言ってるのよ、言ってることわけわかんないわよ!ちょっと頭を冷やしなさいよ!」 草加の言うことの意味が、真理には全く分からない。 当然だろう。確かにタケシと比べればNと出会ってそう長い時を過ごしたわけではないが、彼は真理の危機を幾度も救った、仲間と呼んでも差し支えない存在だ。 そんな彼を化け物と罵り襲いかかる草加の姿は、むしろそちらの方が化け物のようだった。 元々草加雅人にはいい印象を持っていなかったこともあり、真理は草加が何を見て、何を考えているのかまで察しようと思うことができなかった。 「……そうか、そういうことか。何故君が生きてるのか不思議に思ってたが、やっぱり君もオルフェノクになってしまったんだな……」 「は?雅人あんた何言ってるの?」 結果、草加の導き出した結論は真理は既に人間でないというものだった。 オルフェノクに襲われて一度死んだはずなのに生きている。それはオルフェノクとして覚醒し蘇ったことに他ならない。 ならば、倒さなければならない。 オルフェノクであるなら、どれだけ親しい相手だろうと殺さねばならない。例えそれが旧友や育ての親であったとしても。 そして、愛しき存在であったとしても。 せめてオルフェノクの醜い姿を見せられる前に、この手で。 「真理…、せめて君だけは俺のこの手で……」 「雅、人………?」 動かぬNの目の前で、拳を振りかざすファイズ。 それが直撃すれば、人間である真理の体はひとたまりもないだろう。 草加の凶行に、思わず目を背ける真理。 そして、拳が振り下ろされ。 激しい音を立てながら、一つの体が宙を舞った。 ◇ 「セイバーさん、美遊ちゃん!もう少し先に誰かいるみたいです!」 「確かですか、ユカ?」 3人が道を行く先で、ふと激しい音を知覚した結花が二人に呼びかけた。 「はい。それも、誰か戦っているみたいで……、急がないと……」 「…走ってもたぶん間に合わない、私が空から先行するから、二人は後から来て!」 瞬時にサファイアを手に転身した美遊は宙へと飛び上がる。 魔力消費が激しくなる移動手段だが、今それを気にしている暇はない。 「ユカ、あなたもミユと共に。私は後から追います」 「でも…、それだとセイバーさんは…」 「私なら大丈夫です。少し魔力を使えばすぐに追いつけます」 「………」 先に行くように告げるセイバー。しかし彼女も万全とは言いがたい状態、移動に消耗させてしまっていいのか。 数秒の沈黙の後、結花は何かを決心したかのようにセイバーに近寄る。 「ユカ?」 「しっかり捕まってください!私が美遊ちゃんの後を空から追います!」 その身を白い鳥型の怪人態へと変身させた結花は、セイバーを後ろから抱えた状態でその背の巨大な翼で空へと上がり。 宙を蹴るように移動する美遊を追って飛翔した。 ◇ 悲鳴と共に激しい音と共に人の体が地に叩きつけられる音が真理の耳に届く。 しかし、真理の体にはいつまで経っても衝撃は与えられなかった。 食いしばるように目を閉じた真理がゆっくりと目を開く。 そこにはファイズの姿はなく、代わりに漆黒の鎧を纏った何者かがいた。 オーガ、帝王のベルト。ここに連れてこられる前、巧と戦っていた存在。 「醜いものを見せてくれるな」 グランインパクトが叩きつけられる直前、カウンターの要領で木場はファイズの胸に拳を叩き込んだのだ。 装甲を凹ませるほどの衝撃を持ったそれを受けたファイズは吹き飛び、同時にその変身も解除されベルトは地に転がっていた。 真理には目をくれることもなくファイズギアの元に向かう木場。 「これは彼のものだ。君が持っていていいものじゃない」 既に視界に映らない草加にそう告げながらもファイズギアを拾い上げ。 ようやく興味を得たかのように真理へと目を向ける。 帝王のベルトの恐ろしさを真理はその目で見ている。 例えNがカイザに変身していようと、今の状態でどうにかできる相手ではない。 「N、逃げて!今のあんたじゃ木場さんには―――」 「!!」 そこまで言いかけたところでNが何かに気付いたかのように顔を上げ。 次の瞬間には、その姿が視界から消えていた。 「やっているようだな、木場よ」 「遅いぞ、何をしていた?」 「何、少し寄り道をな。遅れたことは謝罪しよう」 突如真理の目の前に現れた全身を漆黒の衣装に包んだ仮面の男。 そして、その後ろには目の虚ろな少年の姿。 消えたNは、ベルトの変身を解除された状態で口から血を垂らしながら膝をついていた。 「…今、何をした?見えたはずの未来と、辻褄が合わない…」 「なるほど、貴様もその手の能力を持っている者か。ならこいつはお前にとって天敵ということだな」 仮面の男、ゼロが視線を向けた少年。 少年は静かに、虚ろな目のままNを見て。 次の瞬間、ゼロはNの目前まで迫り、その首を掴みあげていた。 「ガァッ!!」 Nにも真理にも、そして木場にすらも何が起こったのか理解できなかった。 気がついたらゼロの体が移動し、一人の人間の身を掴み上げているのだから。 その現象には見覚えがあったが、これまでゼロと共闘している間彼がこのような能力を使った覚えはない。 ふとゼロが拾ってきたという少年を見る。 「その人間は何だ?」 「言っただろう、拾い物だと。私の言うことには絶対服従の存在だ。 お前の気に入らない人間だが、今は私の所有物だ、手を出すことは許さんぞ」 「………」 その拾い物が今のまるで時間を止めたかのような現象の原因だとするならば、と木場は心中ゼロに対する警戒を強める。 いずれその時がきた時のために。 だが、今はその時ではない。 目の前には、何としても殺さねばならない者がいるのだから。 Nの首を掴み上げるゼロを尻目に、真理へと足を進める。 と、その目の前に光と共に小さな影が姿を現す。 紫の体の異形の生物。オルフェノクではない。先の電気を放つ生物の仲間かと木場は判断する。 それはタケシが真理に託し、そして真理を託したグレッグルだった。 真理を庇うようにその前に立ち塞がるグレッグル。 しかしそれは帝王のベルトを纏った木場にとって大きな障害とは成り得ない程度の存在でしかない。 「ダメ!下がって!」 邪魔をするなとばかりに剣を振りかざす木場、そして叫ぶ真理。 それでも尚身動ぎせず仁王立ちするグレッグル。 「砲撃(シュート)!!!」 その時だった。 そんな一人と一匹の間に、空から降り注いだ一迅の光が割り込んだのは。 思わず見上げた木場、その目前には一本の刃を構えた少女が迫っていた。 オーガストラッシュを振り上げその一閃を弾き返すと同時に、少女は着地。 「はぁっ!!!」 「ぬ」 その後に続くように空から舞い降りた、甲冑を纏いし少女がゼロの腕めがけて視認できない何かを叩き下ろす。 咄嗟にNを掴んでいた手を離し後ろに下げたことでその一撃は空振りとなった。 しかし間髪入れずにそこから振り上げられた衝撃によって後退を余儀なくされる。 「君は……」 「私の名はセイバー。助太刀に参りました」 そうしてNと真理の前を守るように立ち塞がる二人の少女。 そしてその後を追うように白い羽をはためかせながら舞い降りる白き異形の鳥。 「「真理さん!」」 「美遊ちゃん、結花さん……?」 美遊・エーデルフェルト、そして真理の友人である長田結花。 もう一人の少女も彼女達の味方、敵ではないのだろう。 「真理さん、タケシさんは……」 「………」 『そんな……』 同行者であったタケシの所在を確かめるが、真理の返答は静かに首を横に振っただけ。 それだけでも彼に何があったのか察した美遊とサファイアは言葉を失う。 そして、この場において邂逅した者は真理と美遊、結花だけではない。 「結花か」 「木場さん、なんですか…?」 見覚えのない姿に変身している何者か、しかしその声だけで結花はその仮面の下が誰なのかを知ってしまう。 乾巧から聞いていた、しかし信じたくはなかった事実を。 「ロロさん!!」 「……!」 そして名前を呼ぶ美遊の視線の先にいるのはかつてほんのひと時共に行動し、美遊に銃を向けた後行方しれずとなった少年。 美遊に呼びかけられたロロは、虚ろな目のまま驚くように体を震わせ反応した。 (…どうしたものか) そんな戦況を一人冷静に見守るのはゼロ。 3対2、うち1人が非戦闘員という圧倒的優位だった状況は一瞬のうちに3対5という構想に変化してしまった。 しかもロロ、木場共に因縁のある相手が混じっている様子だ。 さらに分析すると、木場に斬りかかった少女は数時間前に戦った、平行世界にアクセス可能な武器を持ったあの白い少女、それと同じ武器、能力を持っているように見える。 単純なスペックならこちらが負けることはないだろうが、しかし新たに現れた少女と共に油断できない相手だ。 「木場よ、あの黒髪の少女の相手を任せられるか?可能ならばこちらは甲冑の女とお前の仲間を請け負うが」 「俺に対する気遣いか何かのつもりか?」 「フン、相手をしづらいなら、と思ってやっただけだ」 「対処なら俺にもできる」 と、木場は結花に、ゼロはこの中で最も高い身体能力を持っていると見た甲冑の女、セイバーに目をやる。 セイバーの手には何も持っていないように見えて、手元には風が渦を巻いている。光の屈折か何かで手元の武器を視認しづらくしているのだろう。 「はぁっ!」 そのままセイバーはゼロ目掛けてその手に持った何かを振り下ろし。 迎え撃つようにゼロはギアスを発動させた手を突き出そうとしたところでセイバーは急停止。 勢いを殺しながら後ろに下がり、その手の間合いから離れる。 「ほう、いい勘をしている」 そのまま向かってきてくれていれば虚無のギアスをその体に打ち込めたのだが、間一髪のところでセイバーは直進を止め隙を伺うかのように構えている。 だがこちらの戦い方はギアスだけではない。 間合いを図るセイバーに向けてその背のマントを一斉に射出。 それを一つ一つ弾きながらもセイバーはゼロ目掛けて駈け出した。 「木場さん、乾さんから聞きました。 本当なんですか?人間として生きるのを辞めたって…」 「………」 セイバーとゼロがぶつかり合う後ろで、結花は信じたくない事実を問いかける。 自分が最も信じた者が人間を捨て、菊池啓太郎の命をも奪ったなど。 しかし帰ってきた答えは沈黙。この場でのそれは肯定と同義だ。 「木場さん!」 「結花、君なら分かるはずだ。人間に守る価値なんてないということが」 「…!」 「話は後だ、今はそこを退け。園田真理は、何としても殺さなければならない」 「そんな……」 「ロロさん!どうしてあの男と一緒に…!」 「…美、遊…?」 そんな木場やゼロを挟んだ位置から、木場に対して牽制を行いつつもロロに話しかける美遊。 虚ろな瞳をしたロロが美遊を視界に収めた時、思い出したくない記憶を掘り起こされたかのように頭を抑えて膝を着いた。 「ロロさん?!」 「兄さん、兄さんは……、死んでなんかない……兄さんは生きて…」 「ロロ!何をしている!」 そのまま何かを唱えるかのように呟くロロに、これまでとは若干色の変わったゼロの声が響く。 そんな声をかけながらもセイバーの鋭い突きを避けカウンターで拳を突き出し、隙を見せる様子はない。 名前を呼びロロに発破をかけただけ、たったそれだけの行為でロロの瞳に光が僅かに映る。 「兄さん…?そうだよね、兄さんはそこにいるんだよね。 なら、何の問題もないんだよね」 「ロロさん…!?今ゼロのことをお兄さんって…」 「何言ってるのさ、ゼロは兄さんしか有り得ないんだから、何もおかしくなんてないじゃないか」 ロロは明らかに正気を失っている。 騙されているのか、それとも現実逃避をして精神をもたせているのか。 どちらにしてもまともな状態ではない。 一刻も早くロロの元に駆け寄りたい想いが生まれる。 しかし、その前に立つ木場勇治が、オーガの存在がそれを許さない。 たった今刃を交えた美遊はその強さがはっきりと分かる。元の仲間らしいことを考慮しても、結花だけで抑えきれるものではない。 この膠着状態は美遊がいてこそ成立しているもの。離れることはできない。 しかし、木場とてそれを察しないわけもない。 「海堂なら病院にいる。向かうなら今は見逃そう」 「…!海堂さんが……」 それは結花に対する揺さぶりの言葉。 木場の言葉が嘘か本当か、美遊には判別はできない。しかしそれを結花に言った事実は大きい。 「早く行ってやれ。きっとあいつも怪我をしているはずだ」 「黙れ!!」 まるで仲間に伝えるような声色で結花に対しそんなことを呟く木場に思わず刃をぶつける美遊。 しかし、一直線に木場に向かうはずだった美遊の体は大きく木場のいたはずの場所を反れて、刃を空振らせた。 (この現象は…もしかして――) 『美遊様!ロロ様が…』 木場自身もその現象に若干驚いている様子。 今発動したロロのギアスは一瞬だったがそれだけでセイバーはゼロに組み伏せられ抵抗するのが精一杯という状態になっている。 唯一その体感時間停止の効かなかったサファイアだったが、彼女だけでその状況をどうにかできることもなく。 ゼロ以外で最も落ち着きを取り戻すのが早かったのは、この場ではそれを見たのが2度目であった木場。 美遊にそのまま振り下ろされたオーガの刃を彼女は受け止めるが、態勢と美遊の状況把握の遅れが押し返す力を弱めてしまった。 受け切ることができずそのまま地に伏してしまう美遊の目の前で振り上げられる、帝王の長剣。 「…!木場さん!」 そんな木場を前に、戦うことも木場の言う通り海堂の元に向かうこともできぬ結花が、それでもかろうじて木場の名前を呼ぶ。 しかしその声は理想を失した帝王の耳には届かず。 無慈悲に少女の身を切り裂かんと振り下ろされた刃。 「グオオオォォォォォォ!!!」 そこで宙に響いたのは、唸るような獣の鳴き声。 次の瞬間、オーガの体を真っ赤な炎が包み込んだ。 『美遊様!退いてください!』 サファイアの声で咄嗟に後ろに数歩下がる。 それでも熱された空気が顔の表面を嬲るのを感じるほどの威力を持った赤炎。 しかし、閃光と共に現れたその姿には大して堪えている様子はない。 そんなオーガへと向けて、今度は赤い影が空から飛来し突撃をかける。 木場はオーガストラッシュを構えてどうにか防ぐが、衝撃を殺しきれず数歩後ろに下がる。 影が宙を飛んだまま静止しその姿を現す。 翼をもった赤い竜が、怒りの声をあげるように唸りながら木場に敵意を向けていた。 「…彼の達ての願いだからね。タケシを殺した君と、守れなかった自分に対する強い怒りだよ。 リザードン、炎の渦だ」 外れた場所から、復帰したNがリザードンに指示を送る。 するとリザードンはまるでオーガの周囲を覆うかのように火炎の渦を放射。 「…ちぃ!」 オーガの装甲には大きなダメージを届かせるものではなかったが、その炎の渦は行動を制限する。 足止めをくらったことに舌打ちする木場。 「ふんっ!!」 「くっ!」 その向こうではセイバーがゼロの光る掌を風王結界で受け止める。 しかしその瞬間、武器を纏っていたはずの風が消失、その中にあった竹刀が露になった。 「そんな武器で私を迎え撃つとは、なめられたものだな」 再度風王結界を纏わせる暇も与えずゼロが突き出した拳は、竹刀を易々と圧し折った。 武器を失ったセイバーは、脇に持っていたスペツナズナイフで牽制をかけつつゼロから距離を取る。 と、そんな時だった。 セイバーの元に鞘に収まった一本の刀が投げ渡されたのは。 「これは君に。僕よりはうまく使えるんじゃないか?」 「ありがたい」 「構わないさ。ただあの仮面の男の相手は任せてもいいかい?」 と、鞘から刀を引き抜くと同時、炎の渦が消失し中に呑まれていた木場が姿を見せる。 その向こう、ゼロの後ろに位置していたロロがこちらに背を向け、胸を抑えながら走り去る様子が目に入った。 「ロロさん!」 声をかけるが、ロロは振り向かない。 聞こえていないかのように、ゆっくりとだが視界から離れていく。 「――ユカ、ミユ。ここは私が押さえます。あなた達はあなた達のやるべきことを」 「…!」 美遊と結花にそう告げるセイバー。 美遊がロロを、結花が病院にいる結花自身の仲間を気にしていることを読んだのだろう。 その事実にビクッとしたのか結花が僅かに驚いたような顔を見せる。 『しかし、あの二人を相手にされては…』 「私なら大丈夫です。一瞬だけ隙を作ります。その間にあなた達は先に向かいなさい」 「…分かった。セイバーも気を付けて」 「ユカも、早く」 「…真理さんをお願いします」 そんな会話を最後に地を蹴る美遊と結花。 だが、そんな二人を前にいる二人、特にゼロは見逃すことはしない。 だからこそ結花が白い翼を広げ、美遊が魔力で作った足場を蹴ったその瞬間。 セイバーはその剣に一斉に風を渦巻かせ。 「――――爆ぜよ、風王結界!!風王鉄槌(ストライク・エア)!!」 剣を突き出すと同時に、一気に全面に放出した。 暴風が衝撃となってゼロと木場の二人に襲いかかる中、結花と美遊は逆にその風に乗るように宙を飛び立っていく。 風が収まると同時、セイバーはゼロに、リザードンはオーガに向かい攻め込む。 もし二人のいずれか、あるいは二人が同時にでも美遊、結花を追うようならばその足止めにもできるように攻めたセイバー。 しかしそんなセイバーの心配とは裏腹に、二人は美遊、結花、そして逃げていったロロにも目をくれることすらなかった。 そうして、魔王と帝王、赤竜と騎士王の戦いが始まった。 ◇ 目の前で戦い始めた木場やその仲間らしき仮面の男、Nのポケモンや甲冑の少女。 彼が連れてきたロロなる少年や、彼や海堂の元に向かうために去って行った美遊と結花。 草加の姿は見えないが、死んではいないだろう。何故彼があそこまでおかしくなったのかは分からないが。 こちらを心配そうに見つめるグレッグルをギュッと抱きしめながら、真理はそれでも戦いを見つめることしかできなかった。 タケシはこんな自分を守って死んでいったというのに。 目の前にファイズギアがあるというのに。 「――――巧……」 脳裏に浮かぶ一人の男の姿。 せめて今彼がどこにいるのか、それさえ分かれば。 ファイズギアを持った木場を視線の先に据えつつ、真理はそう思うことしかできなかった。 【E-5/草原地帯/一日目 午後】 【ゼロ@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】 [状態]:健康、コード継承 [装備]:なし [道具]:共通支給品一式、ランダム支給品0~3(本人確認済み、木場勇治も把握) [思考・状況] 基本:参加者を全て殺害する(世界を混沌で活性化させる、魔王の役割を担う) 1:目の前に立ち塞がる相手(セイバー、N、リザードン)を殺す 2:木場と手を組むが、いずれ殺しあう 3:ナナリー…… 4:可能であるなら、今だけは木場のように同盟を組むに値する存在を探す 5:ロロ・ランペルージは己の駒として利用する、が………? [備考] ※参加時期はLAST CODE「ゼロの魔王」終了時 ※第一回放送を聞き逃しましたが、木場勇治から情報を得ました ※C.C.よりコードを継承したため回復力が上がっています。また、(現時点では)ザ・ゼロの使用には影響が出ていない様子です 【木場勇治@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】 [状態]:ダメージ(大)、疲労(大) [装備]:オーガドライバー一式 (変身中)@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト [道具]:基本支給品、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、アヴァロンのカードキー@コードギアス 反逆のルルーシュ クラスカード(ランサー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、ファイズギア@仮面ライダー555、コンビニ調達の食料(板チョコあり)、コンビニの売上金 [思考・状況] 基本:オルフェノクの保護、人間の抹殺、ゲームからの脱出 1:目の前に立ち塞がる相手(セイバー、N、リザードン)を排除し真理を殺す 2:すべての人間を殺したあと、村上を殺す。 3:ベルトを手に入れた乾巧と決着をつけたい。 4:たとえ別世界の長田であっても、自分を止めるなら容赦はしない。 5:ゼロとは組むが、いずれ殺しあう。 そろそろ病院で合流したいが… [備考] ※コロシアムでの乾巧との決戦の途中からの参戦です 【園田真理@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】 [状態]:疲労(中)、身体の数カ所に掠り傷 、強い後悔 [装備]:Jの光線銃(2/5)@ポケットモンスター(アニメ) 、タケシのグレッグル@ポケットモンスター(アニメ) [道具]:基本支給品一式、支給品0~2(確認済み)、グレッグルのモンスターボール@ポケットモンスター(アニメ)、ファイズアクセル@仮面ライダー555、スマートバックル(失敗作)@仮面ライダー555 [思考・状況] 基本:巧とファイズギアを探す 1:私は…何もできない…… 2:巧以外のオルフェノクと出会った時は……どうしよう? 3:イリヤと出会えたら美遊のことを伝える [備考] ※参戦時期は巧がファイズブラスターフォームに変身する直前 ※タケシと美遊、サファイアに『乾巧』、『長田結花』、『海堂直也』、『菊池啓太郎』、『木場勇治』の名前を教えましたが、誰がオルフェノクかまでは教えていません ※美遊とサファイア、ネモ経由のナナリーから並行世界の情報を手に入れました。どこまで理解したかはお任せします 【N@ポケットモンスター(ゲーム)】 [状態]:疲労(小) [装備]:サトシのピカチュウ(体力:疲労(大)、ダメージ(中)、精神不安定?、ボール収納)@ポケットモンスター(アニメ)、サトシのリザードン(疲労(小)、木場に対する怒り)@ポケットモンスター(アニメ) [道具]:基本支給品×2、割れたピンプクの石、プロテクター@ポケットモンスター(ゲーム) 、傷薬×3、いい傷薬×2、すごい傷薬×1 [思考・状況] 基本:アカギに捕らわれてるポケモンを救い出し、トモダチになる 1:リザードンの怒りの原因である木場勇治とその協力者らしき仮面の男(ゼロ)を倒す。 2:世界の秘密を解くための仲間を集める 3:ポケモンセンターに向かいたいが…? 4:化け物………… [備考] ※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線) ※並行世界の認識をしたが、他の世界の話は知らない。 【変身一発の効能について】 本ロワにおける効果は以下のものとします。 『一本しか支給されていないこの薬品はそれだけでもベルトでの変身を可能とし、なおかつベルトを消滅させることはありません。 しかし本来の適合者が使用した時と比べてスペックが低下しています』 【セイバー@Fate/stay night】 [状態]:ダメージ(中)、疲労(大)、魔力消費(中) [装備]:枢木スザクの日本刀@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー、スペツナズナイフ@現実 [道具]:なし [思考・状況] 基本:シロウの願いを継ぎ、桜とイリヤスフィールを守る 1:ゼロ、木場勇治の打倒 2:間桐桜を探す 3:余裕があれば約束された勝利の剣を探したい [備考] ※破戒すべき全ての符によりアンリマユの呪縛から開放されセイバーへと戻りました 【枢木スザクの日本刀@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】 ユーフェミアの騎士である枢木スザクが帯刀している武器。 ブリタニア風の装飾が施されている日本刀。 →
https://w.atwiki.jp/seiyudb/pages/225.html
2013年7月11日 新第1話:不穏な予感、再びです! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/紫藤イリナ:内田真礼/ドライグ:立木文彦/桐生藍華:山崎はるか/松田:内匠靖明 元浜:中國卓郎/片瀬:小倉唯/村山:石原夏織/イッセー父:小形満/イッセー母:小島幸子/フリード・セルゼン:松岡禎丞 イッセーのお客様:小山力也 2013年7月18日 第2話:聖剣、来ました! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/紫藤イリナ:内田真礼/ドライグ:立木文彦/ソーナ・シトリー:高森奈津美 真羅椿姫:木村亜希子/桐生藍華:山崎はるか/松田:内匠靖明/元浜:中國卓郎/イッセー母:小島幸子 フリード・セルゼン:松岡禎丞/イッセーのお客様:小山力也 2013年7月25日 第3話:聖剣、破壊します! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/紫藤イリナ:内田真礼/ドライグ:立木文彦/ソーナ・シトリー:高森奈津美 真羅椿姫:木村亜希子/匙元士郎:井口祐一/桐生藍華:山崎はるか/松田:内匠靖明/元浜:中國卓郎/イッセーのお客様:小山力也 謎の若者:逢坂良太 2013年8月1日 第4話:強敵、現れました! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/紫藤イリナ:内田真礼/ドライグ:立木文彦/ソーナ・シトリー:高森奈津美 真羅椿姫:木村亜希子/匙元士郎:井口祐一/桐生藍華:山崎はるか/松田:内匠靖明/元浜:中國卓郎/イッセー父:小形満 イッセー母:小島幸子/フリード・セルゼン:松岡禎丞/バルパー・ガリレイ:津田英三/コカビエル:安元洋貴 2013年8月8日 第5話:決戦、駒王学園! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/ドライグ:立木文彦/ソーナ・シトリー:高森奈津美/真羅椿姫:木村亜希子 匙元士郎:井口祐一/フリード・セルゼン:松岡禎丞/バルパー・ガリレイ:津田英三/コカビエル:安元洋貴 2013年8月15日 第6話:行け!オカルト研究部! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/ドライグ:立木文彦/ソーナ・シトリー:高森奈津美/真羅椿姫:木村亜希子 匙元士郎:井口祐一/コカビエル:安元洋貴/イッセーのお客様:小山力也/ヴァーリ:逢坂良太/アルビオン:竹内良太 2013年8月22日 第7話:夏です!水着です!ピンチです! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/ドライグ:立木文彦/サーゼクス・ルシファー:諏訪部順一/グレイフィア:世戸さおり イッセー父:小形満/イッセー母:小島幸子/アザゼル:小山力也/ヴァーリ:逢坂良太 2013年8月29日 第8話:授業参観、始まります! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/ドライグ:立木文彦/ソーナ・シトリー:高森奈津美/匙元士郎:井口祐一 サーゼクス・ルシファー:諏訪部順一/セラフォルー・レヴィアタン:清水愛/桐生藍華:山崎はるか/松田:内匠靖明/元浜:中國卓郎 片瀬:小倉唯/村山:石原夏織/イッセー父:小形満/イッセー母:小島幸子/リアス父:速水奨/教師:志賀麻登佳 ヴァーリ:逢坂良太/アルビオン:竹内良太 2013年9月5日 第9話:後輩、できました! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/ギャスパー・ヴラディ:佐倉綾音/ドライグ:立木文彦/匙元士郎:井口祐一 アザゼル:小山力也/ヴァーリ:逢坂良太/アルビオン:竹内良太/ミカエル:細谷佳正 2013年9月12日 第10話:色々、三すくみです! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/ギャスパー・ヴラディ:佐倉綾音/紫藤イリナ:内田真礼/ドライグ:立木文彦 ソーナ・シトリー:高森奈津美/サーゼクス・ルシファー:諏訪部順一/セラフォルー・レヴィアタン:清水愛 アザゼル:小山力也/ヴァーリ:逢坂良太/ミカエル:細谷佳正/コカビエル:安元洋貴 2013年9月19日 第11話:トップ会談、はじまります! BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/ギャスパー・ヴラディ:佐倉綾音/紫藤イリナ:内田真礼/ドライグ:立木文彦 サーゼクス・ルシファー:諏訪部順一/グレイフィア:世戸さおり/セラフォルー・レヴィアタン:清水愛/アザゼル:小山力也 ヴァーリ:逢坂良太/アルビオン:竹内良太/ミカエル:細谷佳正/カテレア・レヴィアタン:櫻井浩美/魔術師:村中知、飯田友子 魔術師:藤田麻美、葉山いくみ 2013年9月26日 第12話:二天龍、激突!終 BS11デジタル:24時30分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ゼノヴィア:種田梨沙/ギャスパー・ヴラディ:佐倉綾音/紫藤イリナ:内田真礼/ドライグ:立木文彦 ソーナ・シトリー:高森奈津美/真羅椿姫:木村亜希子/サーゼクス・ルシファー:諏訪部順一/グレイフィア:世戸さおり セラフォルー・レヴィアタン:清水愛/アザゼル:小山力也/ヴァーリ:逢坂良太/アルビオン:竹内良太/美猴:保村真 ミカエル:細谷佳正/カテレア・レヴィアタン:櫻井浩美 第1期→ハイスクールD×D 第2期→ハイスクールD×D NEW 第3期→ハイスクールD×D BorN 第4期→ハイスクールD×D HERO
https://w.atwiki.jp/seiyudb/pages/224.html
2012年1月11日 新第1話:彼女、できました! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈/木場祐斗:野島健児 天野夕麻(レイナーレ):生天目仁美/片瀬:小倉唯/村山:石原夏織/松田:内匠靖明/元浜:中國卓郎/ドーナシーク:武虎 花弁ライダーピンキー:椿理沙/怪人:山本格/女子:前田玲奈/子供:大亀あすか 2012年1月18日 第2話:人間、やめました! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/片瀬:小倉唯/村山:石原夏織/松田:内匠靖明/元浜:中國卓郎/目覚まし時計:能登有沙 支取蒼那:高森奈津美/カラワーナ:佐久間紅美/一誠の父:小形満/一誠の母:小島幸子/森沢:青木強/城戸:田頭里奈 2012年1月25日 第3話:友達、できました! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/フリード・セルゼン:松岡禎丞/バイサー:水原薫 2012年2月1日 第4話:友達、救います! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/天野夕麻(レイナーレ):生天目仁美/ドーナシーク:武虎/カラワーナ:佐久間紅美 フリード・セルゼン:松岡禎丞/ミッテルト:巽悠衣子/トゥワイス・クリティカル:立木文彦 2012年2月8日 第5話:元カノ、倒します! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/天野夕麻(レイナーレ):生天目仁美/ミッテルト:巽悠衣子/ドーナシーク:武虎/カラワーナ:佐久間紅美 ブーステッドギア:立木文彦/目覚まし時計:能登有沙/ライザー・フェニックス:子安武人/神父:赤羽根健治 2012年2月15日 第6話:アクマ、やってます! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/松田:内匠靖明/元浜:中國卓郎/片瀬:小倉唯/村山:石原夏織/一誠の父:小形満/一誠の母:小島幸子 ミルたん:三宅健太/スーザン:川澄綾子/場井:松本忍 2012年2月22日 第7話:使い魔、ゲットします! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/松田:内匠靖明/元浜:中國卓郎/支取蒼那(ソーナ・シトリー):高森奈津美/真羅椿姫:木村亜希子 ザトゥージ:江川央生/匙元士郎:井口祐一/巡:安野希世乃/花戒:小松未可子 2012年2月29日 第8話:喧嘩、売ります! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/片瀬:小倉唯/村山:石原夏織/ドライグ:立木文彦/松田:内匠靖明/元浜:中國卓郎/一誠の父:小形満 一誠の母:小島幸子/ライザー・フェニックス:子安武人/グレイフィア:世戸さおり/レイヴェル・フェニックス:西明日香 ユーベルーナ:山川琴美 2012年3月7日 第9話:修行、はじめました! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/ドライグ:立木文彦/グレイフィア:世戸さおり/サーゼクス:諏訪部順一 2012年3月14日 第10話:決戦、始まります! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/支取蒼那(ソーナ・シトリー):高森奈津美/真羅椿姫:木村亜希子/グレイフィア:世戸さおり ライザー・フェニックス:子安武人/ユーベルーナ:山川琴美/雪蘭:中原麻衣/ミラ:斉藤佑圭/イル&ネル:赤崎千夏 シュリヤー:平田真菜/マリオン:沼倉愛美/ビュレント:慶長佑香/ドライグ:立木文彦/目覚まし時計:能登有沙 2012年3月21日 第11話:絶賛、決戦中です! tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/支取蒼那(ソーナ・シトリー):高森奈津美/真羅椿姫:木村亜希子/グレイフィア:世戸さおり ライザー・フェニックス:子安武人/レイヴェル・フェニックス:西明日香/ユーベルーナ:山川琴美/イザベラ:櫻井浩美 カーラマイン:原田ひとみ/ニィ:能登有沙/リィ:松永真穂/シーリス:津田美波/ドライグ:立木文彦 2012年3月28日 第12話:約束、守りに来ました!終 tvk:25時15分〜 兵藤一誠:梶裕貴/リアス・グレモリー:日笠陽子/アーシア・アルジェント:浅倉杏美/姫島朱乃:伊藤静/塔城小猫:竹達彩奈 木場祐斗:野島健児/支取蒼那(ソーナ・シトリー):高森奈津美/ライザー・フェニックス:子安武人 レイヴェル・フェニックス:西明日香/サーゼクス・ルシファー:諏訪部順一/グレイフィア:世戸さおり/ドライグ:立木文彦 片瀬:小倉唯/村山:石原夏織/松田:内匠靖明/元浜:中國卓郎/花弁ライダーピンキー(桃園モモ):椿理沙 第1期→ハイスクールD×D 第2期→ハイスクールD×D NEW 第3期→ハイスクールD×D BorN 第4期→ハイスクールD×D HERO
https://w.atwiki.jp/sysd/pages/4440.html
大出産業 本店:東京都江東区東陽四丁目12番18号 【商号履歴】 大出産業株式会社(1947年2月~) 【株式上場履歴】 <ジャスダック>2004年12月13日~2005年1月13日(有価証券報告書虚偽記載) <店頭>1963年5月 日~2004年12月12日(店頭登録制度廃止)証券コード7900 【沿革】 昭和10年10月 前取締役社長大出叶が深川木場3丁目に大出商会を創立、製材、木工、乾燥等の木材業を開始。 昭和22年2月 資本金18万円の大出産業株式会社に改組、工場を深川平井町(現東陽)に移転。 昭和34年4月 大出式組立ハウスの生産販売並びに建築部を設立。 昭和38年5月 東京証券業協会店頭売買銘柄登録。 昭和51年4月 工場を江東区新木場に移転。 昭和54年4月 旧工場跡地に大出ビル建設、株式会社西友に賃貸。 昭和63年5月 千葉県印西市に千葉支店を新設(平成10年11月に千葉事業所に名称変更。平成17年12月に千葉住宅支店に名称変更) 平成7年10月 横浜市旭区に横浜支店を新設。 平成7年10月 新本社ビル新築。 平成10年11月 千葉市若葉区に千葉支店を新設(印西市の千葉支店は千葉事業所に名称変更) 平成11年10月 新木場工場を閉鎖し、野田工場に集約。 平成12年6月 新木場工場跡地に「新木場配送センター」を建設し佐川急便株式会社に賃貸。 平成15年4月 株式会社エステーホームの株式を取得し関係会社とする。 平成17年1月 ジャスダック証券取引所の上場廃止。
https://w.atwiki.jp/gangroad/pages/14.html
ノーマル 日向 景寅 子安 和希 朝倉 妃夏 永瀬 紅葉 黒田 和磨 華田 宏之 瀬名 美尋 星崎 美冬 真柴 隼人 春日原 凛 ハイノーマル 加賀崎 秀敏 久我山 憲親 蘇我 達人 新田 克彦 胡桃沢 早苗 柳 光彦 城島 襟人 七尾 力 レア 羽山 洋平 T 屋久島 梵人 奈良沢 薫 小野塚 雅史 東 清次 寿 美玲 海老原 理一郎 ハイレア 二階堂 憲明 T 城之内 真樹夫 本郷 智 安藤 詩穂 若宮 春明 Sレア 淀川 茶々丸
https://w.atwiki.jp/83452/pages/15843.html
835. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 43 14.42 ID fwc/JhO5o いちご「・・・それでも、他の人の意見は聞くべき」 姫子「・・・逆なんだよ」 いちご「逆・・・?」 姫子「難しい話だから一歩下がって見守りましょうって話じゃないよ 梓が遠回りしてでも、自分で辿り着かなきゃいけないことだと思う」 いちご「・・・遠回させてるだけ」 姫子「私はそれも必要だと思う」 いちご「時間が無い」 姫子「急いては事を仕損じるって言葉があるでしょ」 いちご「これは仕事や義務なんかじゃない。苦労する必要も無い」 姫子「山の頂上をみて登山するの?足元の花はどうでもいいの?」 いちご「論点がズレてる」 姫子「ズレてないよ。近道することで足元の花を見過ごす事の方が多いんだから」 いちご「どうして登山の話になってるの?」 姫子「ケーブルカーで行くより自分の足で登ったほうが心に残る 梓にはそっちを選んで欲しいから・・・。例えが下手なのは流して」 いちご「それは梓が決める事。押し付けていい選択ではない」 姫子「そうじゃないと夏と冬の距離が縮まらない」 いちご「・・・それが本音?」 姫子「・・・どうだろ。・・・よくわからない」 いちご「・・・無責任」 姫子「簡単に答えを見つけていい問題ではないと思ってる」 夏香「・・・」 風子「・・・」 いちご「・・・そう、じゃ」 スタスタ 和「唯と圭子ペアが負けたわよ」 姫子「・・・予想を裏切らないね」 風子「ちゃんと話してくる・・・」 夏香「風子」 風子「分かってる・・・。私自身で考えて梓ちゃんに話してみるよ」 スタスタ 姫子「律と澪が相手か・・・。どっちを応援する?」 和「勝つほうね」 姫子「ずるいって」 836. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 44 11.03 ID fwc/JhO5o 和「珍しいわね、感情を高ぶらせるなんて」 姫子「どうしたんだろうね、いちごは」 和「姫子も少しムキになってたわ」 姫子「そんな事ないよ」 和「自分を客観的に見られないのね」 姫子「和に言われたくない・・・」ハァ 和「?」 夏香「・・・」 和「しっかり風子に意見を伝えてしまったわよ」 姫子「・・・うん。梓は冬が入院して危険な状態になったことを知らない。だから夏と対等に言い合える それと似たような事なんだけど・・・難しいね・・・」 夏香「・・・いちごさんの意見も聞いて考えると思うよ」 姫子「それなら・・・いいのかな・・・」 和「どうかしらね」 姫子「・・・」 和「それで、本音は?」 夏香「聞くんだ・・・」 姫子「・・・知らないままでいたほうが冬と夏を引っ張ってくれるような気がする。・・・他力本願だよね」 837. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 46 54.61 ID fwc/JhO5o ―――――教室 風子「相馬さんの過去を知ると、梓ちゃんは夏ちゃんと冬ちゃんを置いて先に進んでしまうって事かな」 いちご「・・・どうして?」 風子「知ると知らないでは、その人の見方って結構変わるよね」 いちご「・・・」 風子「私もさっきの姫ちゃんとのやりとりで、いちごちゃんが優しいって」 いちご「話がズレてる」 風子「・・・はい」 いちご「・・・」 風子「よくない先入観を持っているけど、そのおかげで少しずつ学んでいけてると思う」 いちご「・・・」 風子「遠回りだけど、辛い道だけど・・・。この道のほうが確実だと思う」 いちご「・・・それじゃ、どうして迷ってるの?」 風子「・・・うん」 いちご「話を聞く限りでは・・・」 風子「・・・うん。人を知らないで嫌いになるのは寂しいよ」 いちご「・・・」 風子「・・・」 いちご「・・・もう会わない人なのに?」 風子「卒業した後に、いちごちゃんに嫌われるのって私は悲しい」 いちご「・・・」 風子「・・・」 いちご「そ、それで?」 風子「意見を貰おうと思って」 いちご「止められたよね」 風子「・・・姫ちゃんの意見も聞いたから、いちごちゃんの意見も聞いて、私が決めれば問題ないと思う それに、反対にある意見だから多数で結論を見つけ出すことにはならないよ」 いちご「・・・」 風子「どうぞ」メモメモ いちご「・・・ふざけるなら」 風子「・・・」サッ いちご「・・・取り返しのつかないことになるのが嫌なだけ。近道でも答えを必ず見つけたい」 風子「・・・」 いちご「・・・」 風子「そっか・・・。ありがと・・・・・・」 いちご「・・・」 風子「・・・どうして突っ掛ったの?」 いちご「・・・・・・・・・姫子のやり方が納得できない」 838. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 47 42.43 ID fwc/JhO5o ―――――放課後 ジャンッジャンッジャンッ 律「・・・」 澪「・・・」 唯「・・・」 梓「・・・」 紬「・・・」 シーン 律「わ、私たち・・・」 澪「あぁ・・・」 唯「プロだよ・・・」ゴクリ 梓「そんな訳ないじゃないですか」 紬「・・・」ニコニコ 律「んだよー。インスピレーションは大事なんだぞー」 澪「・・・むぎ」 紬「・・・」コクリ コンコン ガチャ 夏「せんぱーい、お迎えにあがりましたー」 唯「わざわざご苦労様。さ、お茶をお出ししますわ」 夏「お心遣い感謝します。しかし、急がねばなりませんので」 律「あら、大変ですのね」 澪「・・・」ガサゴソ 紬「・・・」ガサゴソ 澪「よいしょ・・・。今日はこれで、解散・・・?」 律「んー・・・。特に予定もないんだよな」 唯「そだね〜」 梓「私はもう少し練習して帰ります」 紬「・・・」コクリ 澪「分かった・・・。じゃあな」 紬「・・・」フリフリ 夏「・・・お、お疲れ様でしたー」 唯「ばいばーい」 バタン 839. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 48 22.93 ID fwc/JhO5o 澪「みんな集ってるの?」 夏「はい。他の先輩方も待ってますよ」 紬「・・・」 澪「少し遅れたか」 夏「・・・」 スタスタ 夏「・・・」 紬「・・・?」 澪「どうした、夏?」 夏「い、いえ・・・。行きましょう」 澪「夏は毎回会議に参加しているの?」 夏「はい!皆勤ですよ!」 紬「・・・」ニコニコ 夏(なんだろ・・・部室から出るときに感じた違和感・・・) 840. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 49 04.71 ID fwc/JhO5o ―――――2年生のクラス ガチャ 澪「遅れました」 紬「・・・」ペコリ 夏「・・・」サッ テッテッテ 夏「・・・」ストッ さわ子「ご苦労様、夏ちゃん」 夏「いえいえ、これくらい」 純「そうだ、どうってことないはずだ」 夏「・・・」 澪「・・・」スト 紬「・・・」ガサゴソ 「?」 夏「紬先輩は鍵盤の音を声にするんだよ」 紬「・・・」プッププー 「あ・・・そうだったね・・・」 和「では、学園祭の話を進めたいと思います」 841. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 49 39.88 ID fwc/JhO5o ――・・・ 和「では、これで今日の会議は終わりです」 さわ子「野点班と屋台班はそれぞれ作業を進めておいてね。お互いをフォローできるようにしてあるけど 要所要所では班長の判断に任せるから」 純「はい」 紬「・・・」コクリ 「・・・」 和「学園祭にむけて頑張りましょう」 夏「はい!」 純「楽しみになってきましたね」 澪「そうだな」 美冬「・・・それじゃ、帰ろうか」 「そうだね」 「お先に・・・」 スタスタ 澪「うん、明日ね」 紬「・・・」フリフリ 純「これから部室へ行くんですか?」 澪「んー・・・、寄ってみる?」 紬「・・・」コクリ 澪「寄ってから帰るよ」 純「そうですかー、それではまた明日」 紬「・・・」フリフリ 和「じゃあね」 夏「おつかれさまでーす」 バタン 「・・・」 さわ子「・・・あなたたち帰らないの?」 「ここ私たちの教室ですから・・・」 さわ子「・・・それもそうね。結局メイド喫茶は無しなのよねぇ」 スタスタ バタン 純「えーっと・・・」ガサゴソ 夏「なに探してんの?」 純「給食の時に残しておいたパンを」 夏「どうして残したの?」 純「近所に捨てられた猫がいてね・・・。おこづかいでは足りないから」 夏「・・・」プクク 純「名前はね小次郎っていうんだ・・・」 842. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 51 51.48 ID fwc/JhO5o 夏「調子に乗ったでしょ?・・・名前はいらなかったなー」 純「むむ・・・」 夏「給食とかは面白かった。どうしてそんな事やってんの?」 純「律先輩がいきなりフッてくるから、そういう思考に・・・あった・・・。パン」 夏「・・・」 純「お昼食べられなかったから。今食べよーっと」パサ 夏「・・・」ジー 純「なにさ」 夏「・・・純って、こんなアホみたいなキャラだったんだなーって」 純「アホは余計だって!」 夏「あははっ、ごめんごめん」 「・・・あのさぁ」 純夏「「 ん? 」」 「合同企画なのはいいけど、今の流れって完全に3年生の主導じゃない?」 「ちょっと由記!」 純「と、いいますと?」モグモグ 由記「野点茶店も、露店の駄菓子も3年生が決定した事でしょ?」 夏「・・・」 純「・・・」モグモグ 由記「私たちってそれに合わせてるだけじゃない」 「由記!」 純「いいよ、来美・・・。そういう事も聞きたいから。 ・・・というか、先輩たち何度も確認していたよね『案は無い?』って」 由記「・・・」 純「黙っていたなら案が無いって事で話が進むのは当然。露店だって私たちが決めるはずだったのに」 来美「・・・」 由記「・・・でもさ、カステラや水あめなんかはいいけど、沖縄の料理ってなに?どういう流れなのよ?」 純「それは私にも分からない。食べてないし、どんな風に仕上がるのかも分からない。けど悪くないって話だよ?」 夏「・・・」 「やってみたい料理があるなら提案すればいいじゃん。・・・純の言う通りだよ」 由記「・・・」 純「オーケー?」モグモグ 「私からも一言」 夏「だから、先輩たちがいる時に話せって!」 由記「!」 来美「!」ビクッ 純「怒るなよ、夏。・・・なに、千雨」 千雨「・・・純が班長なのは・・・。まだ分かる」 純「まだ・・・って・・・」 千雨「・・・どうして琴吹先輩なの?」 843. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 52 52.49 ID fwc/JhO5o 夏「どういう意味・・・」 由記「・・・千雨っ」 千雨「・・・要所要所で伝わらない事の方が多い・・・でしょ」 夏「千雨ッ!」 純「落ち着けって、夏・・・」 夏「純、あんたこんな事言わせて平気なの!?」 純「平気なわけないじゃん・・・。『喋れないから伝わらない』、それが理由で班長の役疑われてんだから」 千雨「そこまでは・・・」 純「そういう事でしょ。野点茶店の班長は紬先輩が適任なんだよ、それは3年生が決めた事」 来美「・・・フォローできるの・・・?」 純「やる。やってみせる・・・って梓が言ってる。・・・実際に聞いたわけじゃないけど」 夏「・・・なにそれ・・・・・・」 由記「・・・」 千雨「・・・」 純「もしかして、私たちのクラスってそんな乗り気じゃなかった・・・?」 来美「ううん、みんなって訳じゃないけど、楽しみにしてる子多いよ」 夏「・・・不満を持ってる子もいると」 来美「・・・うん」 夏「なんで今頃っ」ムスッ 純「今でよかったって事・・・かな。前日にそんな言われたら嫌だなぁ」モグモグ 千雨「・・・」ジー 由記「・・・」ジー 来美「・・・」ジー 純「な、なに・・・?」 夏「・・・別に」 844. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 53 30.82 ID fwc/JhO5o ―――――廊下 「今日姫子さんいなかったよ?」 美冬「バイトじゃないのかな」 「・・・」 和「私は生徒会に行って来るから。また明日ね」 澪「うん、じゃあね」 紬「・・・」フリフリ 澪「私たちも部室行って来るから」 紬「・・・」 美冬「うん、じゃあね」 「・・・バイバイ」 「また、明日」 845. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 54 47.24 ID fwc/JhO5o ―――――玄関 「あ、やっと来たぁ」 「会議おつかれさま」 「・・・待っててくれてありがと」 「それじゃ行こっか」 美冬「これから遊びに行くの?」 「そう。ボウリングへ!」シュッ 「・・・ここでフォームの確認するのやめたほうがいいよ」 美冬「ふーん・・・」 「一緒に行く?」 「行こう?」 美冬「何人か誘っていい?」 「いいよ。たくさん呼んじゃって」 美冬「・・・うん」ピッピッポ trrrrrrr 「こうでしょ」バシュッ 「それ、ゴルフ」 「ふふっ」 「久しぶりだね、ボウリング行くの」 『はーい。美冬ちゃん今終わったのー?』 美冬「うん・・・。ちか、今どこ?」 『駅前ー。エリちゃん達と駄菓子屋行った帰り』 美冬「・・・最近・・・・・・置いていかれてるような・・・気が・・・する・・・」 『そっ、そんな事ないよー!?海へ行ったのはたまたまだし・・・鍋パーティもちゃんと!』 美冬「・・・いいんだけどね・・・」 『そっ、それで、なにかなー!?』 美冬「・・・ボウリング」 『ボウリング?・・・またやるんだ!行くよ!』 美冬「あ、今回は・・・。愛さん、つかささん、俊美さん、ますみさんの4人だよ」 つかさ「前回は姫子さんもいたんだよね」 愛「楽しそうな話だったよね」 ますみ「・・・うん」 俊美「こうっ」シュッ ますみ「それはフリスビー」 愛「ふふっ」 プツッ 美冬「ちかと、エリさん達も一緒に駅前で待ってるって」 846. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 56 15.01 ID fwc/JhO5o ますみ「オッケ。それじゃ、行こっか」 俊美「うん」 スタスタ 愛「あのね、一つ気になっているんだけど」 つかさ「どうしたの?」 美冬「?」 愛「2年生の事なんだけど・・・」 つかさ「あ・・・」 美冬「やっぱり気付いた?」 愛つかさ「「 うん・・・ 」」 俊美「?」 ますみ「どうしたの・・・?」 美冬「ちょっとした摩擦っていうのかな・・・」 愛「2年生は楽しくないのかな・・・」 つかさ「・・・」 美冬「・・・明日姫子さんに相談してみるよ」 俊美「どうして姫子さん?和さんとか律さん澪さんじゃないの?」 美冬「・・・?がりを持ってるから・・・ね」 つかさ「総合班長だよ」 ますみ「・・・それは初めて知った」 俊美「・・・うん」 美冬「・・・今日もいい点出すよっ」グッ 847. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 57 20.09 ID fwc/JhO5o ―――――廊下 夏「行こうよ」 純「行きたいけど、私はジャズ研に行くから夏だけで行きなさい」 夏「そんなの次でいいでしょ、あたし1人じゃ色々気まずいからさぁ」 純「子供かあんたは・・・。今日は抜け出せないから無理だっての。次ってなんですか」 夏「小さいところも拾ってくれるのか純は」 純「・・・夏?」 夏「ん?」 純「いや・・・なんでもない・・・。というか、じゃあ!」 タッタッタ 夏「純ッ!」 純「受け入れてくれるってー安心しなさーい!」 夏「・・・考えてみたら純に頼るのもアレだな」ウンウン 848. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 58 31.64 ID fwc/JhO5o コンコン ガチャ 夏「失礼しまー・・・す・・・」 澪「夏・・・?」 紬「・・・?」 夏「・・・えぇと」モジモジ 澪「なにか用事?」 紬「・・・」 タッタッタ 夏「そういう訳では」 ギュ 夏「?」 紬「・・・」グイグイ 夏「・・・っ」 紬「・・・」ポンポン 夏「えーと、座っていいんですか?」 澪「うん」 夏「それでは・・・」ストッ コポコポ 紬「・・・」スッ 夏「ありがとうございます」 澪「どうした?」 夏「・・・話がしたいなぁと思いまして・・・」 澪「・・・そうか」 紬「・・・」ニコニコ 夏「唯先輩たちは・・・?」 澪「帰ったよ。紅茶と置手紙があったから」 夏「お、置手紙?」 澪「ほら」 ペラッ 『探さないでください』 夏「ブフッ」 849. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 22 59 13.07 ID fwc/JhO5o 澪「最初はリアクションを見ようと隠れているんだと思ったけど、居ないみたいだ」 紬「・・・」プッププー 夏「?」 澪「その紅茶、律が淹れたんだって」 夏「律先輩が・・・」ゴクリ 澪「味はそこそこだから大丈夫」 紬「・・・」プップププー 澪「・・・おいしいから大丈夫」 夏(言い直したって事は・・・そう言ったのかな・・・なんかいいなぁ)ズズーッ 紬「・・・」ニコニコ 澪「・・・」 夏「・・・おいしい」 澪「2年生は学園祭楽しめそうかな?」 夏「はい!楽しませてやります!」ドン 紬「・・・」キリ 澪「そうか・・・。なら安心だな」 夏(気付いていたのかな・・・) 紬「・・・」スッ 夏「いただきまーす」モグモグ 澪「・・・」 紬「・・・」 夏「おいしいですね〜。梓は毎日こんなおいしいおやつを食べているんだ、ずるい」 澪「ふふっ」 紬「・・・」ニコニコ 夏「・・・」 澪「・・・」 紬「・・・」 夏「・・・?」 澪「紅茶が温かいから隠れていると思ったんだけどな」 紬「・・・」ププップップー 澪「そう、楽器と鞄もないから帰ったんだ・・・」 夏「・・・」 澪「・・・」 紬「・・・」 夏(話すの待っててくれているのかな・・・) 850. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 00 25.13 ID fwc/JhO5o 紬「・・・」プップップー 澪「昨日いちごが作ったヤツ?」 紬「・・・」コクリ 夏「沖縄の料理でしたよね?」 澪「うん。おいしかったよ、むぎ」 紬「・・・」コクリ 澪「これから練習で何度も作るから、その時食べればいいよ」 紬「・・・」ニコニコ 夏「沖縄・・・・・・」 澪「行った事ある?」 夏「ないです。遠方なら北海道に親戚はいますけど」 紬「・・・」コクコク 澪「北海道か・・・。駄菓子として料理できる一品とかないかな?」 夏「そうですねぇ・・・。じゃがいもを使ったお菓子とか乳製品を主とした品が多いような」 紬「・・・」ププッププップー 澪「ポテチ・・・は、うーん・・・駄菓子として認められるのかどうか判断に困るな・・・」 夏「素材を活かした料理が多いような気がします。現地で作るからおいしいっていうか」 澪「そうか・・・。それだとここで手に入る材料では難しいな」 紬「・・・」 夏「すいません・・・。独特な料理を知っていればよかったんですけど」 澪「ううん。駄菓子とは言っても、おやつ感覚だからな。料理としてみると難しくなる」 紬「・・・」コクリ 夏「・・・」 澪「・・・」 紬「・・・」プップップー 澪「・・・『約束』?」 夏「!」 紬「・・・」ププップップー 澪「誰との約束?ってさ」 夏「・・・」 紬「・・・」フンスフンス! 澪「落ち着けむぎ・・・」 夏「小学校に上がる前、私たち二人・・・私と冬ねぇは北海道の親戚に預かってもらった事があるんです」 澪(冬ねぇ・・・。そう呼ぶの初めて聞いたな・・・) 紬「・・・」コクリ 851. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 03 13.11 ID fwc/JhO5o 夏「うちの両親は商社関連の仕事をしていて、家を空けていることが多かったんです ある事が起きてからは、母さんは仕事を辞めましたけど」 紬「・・・」 澪(ある事・・・か・・・) 夏「それで長期間両親が留守になるから、と北海道へ預けられたんですね」 紬「・・・」コクリ 夏「何日か過ぎて私が駄々をこねたんです。『お母さんとお父さんに会いたい』って泣きじゃくって」 澪「・・・」 夏「そしたら冬ねぇが『夕陽を見に行こう』って、手を引っ張ってくれて」 紬「・・・」ニコニコ 夏「・・・その夕陽がとっても綺麗で・・・。寂しい気持ちなんて飛んでいったんです 握ってくれる手の暖かさと、夕陽の暖かさが私を満たしてくれて」 澪「・・・」 夏「冬ねぇがその時言ったんです。『また、見に来ようね』って」 紬「・・・」 澪「それが『約束』・・・」 夏「はい。・・・でも、私たち間が抜けてて・・・。その『約束の場所』を覚えていないんです」 紬「・・・」 夏「冬の体力の事もあって、・・・探しに行く事すらできませんけど」 澪(戻った・・・。無意識なのか・・・) 紬「・・・」 夏「あの日の約束を・・・私は・・・」 紬「・・・」プップッププー 夏「?」 澪「諦めたら見つけられない。・・・ってさ」 夏「!」 澪「・・・そうだな。探さないと見つからないよな」 紬「・・・」コクリ 夏「ふふっ」 澪紬「「 ? 」」 夏「あ、ご、ごめんなさい・・・。冬ねぇと同じ事言ったんでつい・・・」 澪「そうか・・・」 紬「・・・」ニコニコ 852. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 04 29.60 ID fwc/JhO5o 夏「私が食べたアイスの当たり棒を失くしてしまったんですよ。 明日交換しに行こうと思って置いておいたそれを」 紬「・・・」ニコニコ 夏「秋の終わりごろだったんで、私は適当に探していたんですけど、冬ねぇが 『諦めたら、見つからないよ』って・・・的外れな励ましをくれたんですよ」 澪「ふふっ」 夏「結局見つからなくて・・・。次の日・・・わざわざ買ってきてくれたんです 『見つけられなくてごめんね』って・・・」 紬「・・・」 夏「実はその時、少し悔しかったんです」 澪「?」 夏「当たりが出たとき『冬ねぇにあげよう』って思っていたのに・・・。 失くして、『まぁ、いっか』って思った自分に」 澪「・・・」 夏「いっつも私の先にいる冬ねぇに・・・」 紬「・・・」ププッププッー 澪「暖かな記憶・・・」 夏「・・・・・・はい」 紬「・・・」ニコニコ 853. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 06 01.48 ID fwc/JhO5o ―――――玄関 夏「不思議な人ですねー。私の想い出話を楽しそうに聞いてくれて」 澪「・・・そうだな」 夏「ついつい喋ってしまうんですよねー」 澪「うん」 夏「梓が懐くわけですよ」 澪「・・・」 夏「お昼にも一緒に遊んで」 澪「なにかあった?」 夏「ないですよ」 澪「・・・そっか」 夏「・・・」 澪「やけに、むぎの事を喋るから」 夏「・・・」 澪「なんでもない。気にしないでくれ」 夏「・・・・・・少し・・・嫌な事があって」 澪「そうか・・・」 夏「・・・」 タッタッタ 紬「・・・」プップププー 澪「歩きながら吹くと危ないぞ」 紬「・・・」ププップー 夏「・・・」 紬「・・・」ガサゴソ 澪「夏・・・」 夏「はい」 澪「一緒に居ないと知らない事、見えないことが増えるんだ。 失って気付く事もあるけど、な・・・」 夏(分かったんだ・・・) 紬「?」 澪「なんでもない。行こう」 夏「・・・」 854. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 06 57.47 ID fwc/JhO5o ―――――河川敷・橋の上 澪「水切りしてるのか」 夏「・・・」 紬「・・・」 澪「・・・」 夏「梓に気付かれた・・・。どうして分かったんだろ」 紬「・・・」フリフリ 澪「私たちも降りよう」 紬「・・・」コクリ 夏「私はここで失礼します。・・・では、明日」 澪「・・・」 紬「・・・」 夏(・・・部室で先輩たちは別れの挨拶してなかったから、違和感を感じたんだ) スタスタ 855. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 08 34.44 ID fwc/JhO5o 冬「えいっ」シュッ チョン チョン ポチャ 冬「・・・」 律「まだまだ修行が足りんようじゃのう」 風子「どうぞ」 律「うむ・・・。って、これでやんの?」 風子「はい」 律「ごつごつしてて・・・不向きかなぁって・・・」 風子「修行は伊達じゃなかったと、私どもにお見せ下さい」 律「う、うむ」 冬「・・・」 律「おりゃっ!」シュッ ポチャン 風子「見て見て、これ綺麗な石だよ」 冬「は、はい」 律「水切れるわけないだろー!」 風子「耳に当てると潮騒が・・・」 律「聞こえるわけないだろ!」 風子「しずかに・・・」ウットリ 冬「え・・・?」 律「そ、そんなわけないだろ・・・」 風子「耳に当ててみて」 律「ま、マジかよ・・・」ゴクリ シーン 律「・・・・・・聞こえないぞ・・・?」 風子「そこの石の裏にカニいそうだよね」 冬「ふ、風子先輩・・・」 律「悪かったからさぁ・・・冬をいじめたの謝るからさぁ・・・」シクシク 紬「・・・」シュッ チョン チョン チョン チョン チョン チョン コロコロ 律「向こう岸まで渡りやがった・・・」 紬「・・・」フンス 風子冬「「 すごい・・・ 」」 856. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 10 17.52 ID fwc/JhO5o 唯「おぉ」 憂いちご「「 すごい 」」 澪「な、なんだ今の・・・」 英子「・・・奇蹟とか」 唯「川を渡った小石さん」 憂「澪さんと紬さんはどうしてここへ・・・?」 澪「むぎと夕陽を見に・・・ね。みんなは?」 憂「のんびりしてました」 英子「部室で少しお話して、ここへ来たの」 澪「・・・そっか」 唯「帰るのもったいなくて」エヘヘ いちご「・・・」 律「何気に風子ひでえな・・・」 澪「どうせ冬をからかっていたんだろ」 律「そうですとも。・・・って梓は?」 澪「夏を追いかけて行った」 律「・・・それ、何かの歌詞みたいだな」 いちご「・・・」 857. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 12 01.90 ID fwc/JhO5o 夏「ん?梓か・・・」 梓「・・・」 夏「どうした?」 梓「それが『夏』なの?」 夏「・・・ん?」 梓「遊園地で話を聞いてから、・・・夏がハッキリ見えてきたような気がする」 夏「言ってる事が分からないんだけど???」 梓「『夏』の中に『冬』を見ているような時があって」 夏「・・・」 梓「・・・」 夏「な、なにそれ・・・」 梓「自分でもよく分かってないから、説明・・・しづらい・・・」 夏「へ、変な事言うなよな・・・。びっくりするだろ・・・」 梓「その口調とか・・・」 夏「・・・」 梓「・・・・・・」 夏「姫子先輩から聞いたの?」 梓「?」 夏「・・・この髪の毛の話・・・とか」 梓「???」 夏「知らないのか・・・。・・・梓って変なヤツだよね」 梓「・・・初めて言われた・・・。どうして?」 夏「見抜かれた感じがしたからさ・・・。私たちの事って何も聞いてないの?」 梓「・・・うん」 夏(入院の事聞いていたとしたら、夏香先輩のお姉さんくらい・・・かな) 梓「夏と冬の事・・・でしょ?」 夏「あのさ・・・実は・・・わた・・・俺・・・」 梓「俺!?」 夏「・・・うん。俺この顔だろ?だから、よく女に間違えられてさ」 梓「!!!」 夏「実は・・・」 梓「・・・っ!」 夏「ブフッ」 梓「・・・」 夏「くだらない話は置いといて、・・・入院していた頃の話も聞いていないんだ?」 梓「・・・からかっておいて、話続けないでくれる?」 夏「顔真っ赤にしてたから、やめたんだけど?」 梓「人をおちょくっておいて偉そうにしないで」 夏「あっはっは!梓おもしろーい!」 858. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 13 17.28 ID fwc/JhO5o 梓「・・・で?」 夏「起こるなよ〜」 梓「聞いてあげるから話続けていいよ」 夏「えっらそう!」 梓「夏に言われたくないけど」 夏「・・・そうだよね」 梓「また、そうやってからかう」 夏「ううん、あたし・・・。人にモノを言う資格なんてないんだ」 梓「・・・」 夏「冬がマネージャーとして入部してから、髪を切った。元は今の冬と同じ長さ」 梓「・・・」 夏「どうして切ったのか。それは、『冬』がここにいるから」 梓「?」 夏「あたし達さぁ、よく間違えられるんだよね。親父でさえ、あたしの事冬と呼ぶ時がある」 梓「・・・」 夏「呼ぶことがあった・・・。でも、こうすれば判別つくでしょ」サラサラ 梓「・・・うん」 夏「どうして切らなかったのか。それは、『冬』がそこにいなかったから」 梓「・・・」 夏「あたしが『冬』としてそこに居れば・・・。誰かの・・・っ・・・こころ・・・っに・・・いて・・・くれる・・・」 梓「・・・」 夏「『冬』を・・・っ・・・見てくれる・・・っ・・・て・・・そう・・・思った」 梓「・・・」 859. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 16 09.94 ID fwc/JhO5o 夏「バカ・・・だよ・・・な・・・っ・・・。・・・こんな事してさっ・・・」 梓「うん。バカだね」 夏「っ!」 梓「それは冬の居場所じゃないよ。・・・人の居場所は他人が作れるモノじゃない・・・」 夏「でもっ・・・そうしてでも・・・誰かに・・・冬を・・・見て・・・欲しかった・・・」 梓「夏の居場所がなくなるでしょ」 夏「そんなの・・・いらない」 梓「冬はそう思ってないよ」 夏「そんな事はどうでもいいよ。あたしの・・・意思なんだから」 梓「本人の意思を無視して言い訳がない。それは自分勝手な行い」 夏「梓はさ・・・。紬先輩がいるから・・・先輩たちがいるからそう言えるんだよ」 梓「・・・」 夏「普通に過ごして来た梓と、冬とあたしの価値観は違うよ」 梓「価値観・・・」 夏「病室には気の合う人。優しい人。暖かい人。たくさんいたよ。 けど、冬とケンカできる人なんていなかったよ・・・。価値観を押し付けられて怒る冬じゃない 価値観を押し付けてくる人も居ない。みんないい人・・・。楽しい人・・・」 梓「・・・」 夏「それは間違いを正せる機会が少ないって事・・・」 梓「・・・」 夏「あたしは学校で同じ歳の子達とたくさんバカできた」 梓「・・・」 夏「冬は・・・違う歳の子達と接してきた。たまに妹になったり、姉になったり、孫になったりってね」 梓「・・・」 夏「それもいつまでも続かない。・・・あたしは」 梓「そんな事はどうでもいいよ」 夏「なっ!」 梓「旅の途中で大事なのは前を見ること」 夏「・・・?」 梓「過ぎ去った場所での楽しかった思い出に耽って、到着した場所で時間を潰す? 私は嫌だ。その場所でしか楽しめないことがたくさんある。そう、むぎせんぱいは教えてくれた」 夏「・・・」 梓「それを思い出させてくれたのは冬だよ」 夏「!」 梓「今までの冬を・・・っ!」 夏「・・・」 梓(私にそれを言う資格は・・・ない・・・。・・・苦い言葉・・・・・・) 夏「・・・」 梓「何時まで、過去の冬を見てるの?」 夏「・・・っ!」 梓(・・・私が言っていい言葉では・・・ない・・・よね・・・) 860. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 18 20.17 ID fwc/JhO5o 夏「あたしは・・・今の・・・冬を・・・見られない・・・」 梓「?」 夏「・・・・・・奪ってしまう・・・とこ・・・だ・・・ッ・・・た」 梓「夏っ!」 夏「今の・・・っ・・・ふゆ・・・のっ・・・いば・・・しょを・・・」 梓「いいからっ!」 夏「・・・・・・それ・・・がっ・・・とても・・・こわ・・・い・・・っ」 梓「・・・」 夏「・・・た・・・ま・・・・・・らな・・・く・・・怖いッ!」 梓「いるから」 夏「・・・っ・・・!」 梓「ちゃんといるから、大丈夫だよ」 夏「・・・っ・・・」 梓「『冬』は私たちと一緒に・・・いるから」 夏「・・・っ・・・うん」 梓「ずっと私のこころの中にいるから」 夏「ほん・・・と・・・?」 梓「うん。私は、この季節を一生忘れない」 夏「き・・・せつ・・・」 梓「夏から冬へかけて」 夏「・・・」 梓「絶対に忘れない」 夏「・・・うん」 梓「だから、絶対にいなくならない」 夏「・・・うん」グスッ 梓「・・・」 夏「・・・ありがと、梓・・・っ」グスッ 梓「・・・別に・・・気にしなくていいよ」 夏「・・・っ・・・・・・ありがとぉ」ボロボロ 梓「な、夏が泣くなっ・・・調子・・・狂うっ」グスッ 夏「ふゆと・・・あず・・・さが出会えて・・・よか・・・っ・・・たぁ」ボロボロ 梓「っ!」 861. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/09(金) 23 20 49.82 ID fwc/JhO5o ――・・・ 夏「目真っ赤」 梓「そっちもね」 夏「プールから出た後みたいになってるよ」 梓「だから、そっちもね」 夏「・・・」 梓「・・・」 夏「・・・・・・」 梓「・・・・・・・・・」 夏「ここは同時に笑うとこじゃないの?」 梓「は?」 夏「ほら、漫画とかであるでしょ。笑いあって爽やかな風が吹いて」 梓「くだらない・・・。行くよ」 夏「『おまえやるな』・・・『おまえもな』・・・」 梓「・・・」 スタスタ 夏「『いや、俺の方がやるな』・・・『はぁ?』・・・二人はまた殴りあう」 梓「・・・っ」 スタスタ 夏梓「「 ブフッ 」」 梓「うわ・・・。自分で言って笑ってる・・・」 夏「想像したらさ、すっごいくだらないじゃん?・・・空気に負けたってヤツ」 梓「あっそ・・・」 夏「『俺らの事夕陽が祝福してくれてんぜ』・・・『ははっ』・・・」 梓「夏バカの対処法は確か」 夏「なにその夏バテみたいな括り・・・」 梓「バカ夏」 夏「常夏みたいに言わないでくれるかな」 30
https://w.atwiki.jp/mitamond/pages/914.html
ひ 柊小雨? 火瓦? 疋田文五郎 樋口又七郎? 彦三 緋雨閑丸 美女丸(旋風) 美州姫 ピセル 常陸坊海尊 飛騨忍群 飛騨忍者(赤影) 飛騨忍者(影丸) ヒディムバ? 人影(影丸) 人食いカラス 一言主? 桧神美冬 飛葉小太郎 火走りの弥兵衛 氷室弦馬 姫宮村 白魔 百琳? 百官 緋勇龍斗 雹 氷龍? 比良坂 平手造酒 平山行蔵? 水蛭子?
https://w.atwiki.jp/mmmtarcade/pages/284.html
※ストーリー変更点チェックのため、末尾に横線を引いています。前ver全て確認完了しましたら、チェック欄は外します。 ストーリー詳細(1〜60=ver.4〜5DX+・61〜100=6より追加) 話数 タイトル 開始コース 備考欄 1 出会い 横浜エリア みなとみらい内回り みなとみらいランプ ー 2 満たされない心 新環状エリア 新環状右回り 有明ランプ ー 3 地獄のチューナー 北見 淳 C1エリア C1内回り 神田橋ランプ ー 4 悪魔のZ 横浜エリア みなとみらい外回り みなとみらいランプ 5 ブラックバード 新環状エリア 新環状右回り 木場ランプ 6 それぞれの思い C1エリア C1外回り 汐留ランプ 7 望み 湾岸線エリア 湾岸線西行き 臨海副都心ランプ 8 兄貴の思い出 横羽線エリア 横羽線下り 羽田ランプ 9 予感 C1エリア C1外回り 芝公園ランプ 10 魅せられた者達 湾岸線エリア 湾岸線西行き 臨海副都心ランプ 11 Rの呼び声 横羽線エリア 横羽線下り 羽田ランプ 12 ふりきれない思い 新環状エリア 新環状右回り 有明ランプ 13 Z31 横羽線エリア 横羽線下り 汐入ランプ 14 本物の竜 横羽線エリア 横羽線上り 芝浦ランプ 15 降りる者と残るもの 横羽線エリア 横羽線上り 芝浦ランプ 16 幻のS30 C1エリア C1外回り 汐留ランプ 17 RGO 新環状エリア 新環状右回り 有明ランプ 18 ロータリー・エンジン 横羽線エリア 横羽線下り 羽田ランプ 19 赤坂ストレート前編 C1エリア C1内回り 汐留ランプ 20 赤坂ストレート後編 C1エリア C1内回り 芝公園ランプ 21 新環状線 新環状線エリア 新環状右回り 有明ランプ 22 幻の最高速ランナー 湾岸線エリア 湾岸線西行き 臨海副都心ランプ 23 ケイ C1エリア C1内回り 神田橋ランプ 24 15年の歳月 C1エリア C1内回り 芝公園ランプ 25 デモカー 26 プライド 湾岸線エリア 湾岸線西行き 臨海副都心ランプ 27 男たちの情熱 横羽線 横羽下り 汐入ランプ 28 実走セッティング 湾岸線エリア 湾岸線西行き 大黒ふ頭ランプ 29 モンスターマシン C1エリア C1内回り 汐留ランプ 30 意思 湾岸線エリア 湾岸線西行き 臨海副都心ランプ 31 R200CLUB 32 YM SPEED 横羽線エリア 横羽線下り 芝浦ランプ 33 ジェッティングの富永 湾岸線エリア 湾岸線西行き 大黒ふ頭ランプ 34 追撃! R200CLUB 湾岸線エリア 湾岸線西行き 空港中央ランプ 35 チューナーとして 新環状エリア 新環状左回り 木場ランプ 36 BCNRの真価 横浜エリア みなとみらい内回り 新山下ランプ 37 野生のように 横羽線エリア 横羽線上り 羽田ランプ 38 キャブ・ターボ 横羽線エリア 横羽線下り 汐入ランプ 39 走りのモチベーション 新環状エリア 新環状右回り 木場ランプ 40 昨日でもなく 明日でもなく 今日ー今夜 C1エリア C1外回り 神田橋ランプ 41 西へー 新環状エリア 新環状左回り 木場ランプ (6)副都心エリア 渋谷・新宿 渋谷ランプ 42 異母兄弟 大阪エリア 阪神高速環状 道頓堀ランプ 43 阪神高速環状線 44 ランサーエボリューション 45 高揚 横羽線エリア 横羽線上り 汐入ランプ 46 接近 C1エリア C1外回り 芝公園ランプ 47 標的 新環状エリア 新環状右回り 有明ランプ 48 東京 湾岸線エリア 湾岸線西行き 臨海副都心ランプ 49 ナラシ C1エリア C1外回り 芝公園ランプ 50 失速 新環状エリア 新環状左回り 木場ランプ 51 雰囲気組 湾岸線エリア 湾岸線東行き 空港中央ランプ 52 ドライブゴーゴー 湾岸線エリア 湾岸線西行き 大黒ふ頭ランプ 53 BIG MOUTH 横羽線エリア 横羽線下り 汐入ランプ 54 忘れかけていた感覚 横羽線エリア 横羽線上り 汐入ランプ 55 伝えるコトで気づくコト C1エリア C1外回り 芝公園ランプ 56 こだわり 新環状エリア 新環状右回り 木場ランプ 57 速さの証明 C1エリア C1内回り 芝公園ランプ 58 嫉妬 湾岸線エリア 湾岸線東行き 空港中央ランプ 59 生き方のコスト 新環状エリア 新環状左回り 木場ランプ 60 それぞれのプライド C1エリア C1外回り芝公園ランプ ストーリー詳細(6追加分) 61 GT-Rキラー C1エリア C1外回り 神田橋ランプ 62 嘘の無い走り C1エリア C1内回り 芝公園ランプ 63 ACE34GT-R 横羽線 横羽線下り 芝浦ランプ 64 走り続けた者 横羽線エリア 横羽線下り 汐入ランプ 65 今ココで退かないコト C1エリア C1外回り 芝公園ランプ 66 R32 GT-R 湾岸線エリア 湾岸線西行き 大黒ふ頭ランプ 67 走りの向こうにある本質 新環状エリア新環状左回り 木場ランプ 68 ACE32R起動 横羽線エリア 横羽線上り 羽田ランプ 69 基準を上げる 新環状エリア 新環状左回り 有明ランプ 70 選択 C1エリア C1外回り 芝公園ランプ 71 マコト 横羽線エリア 横羽線上り 芝浦ランプ 72 心に響く音 横浜エリア みなとみらい内回り 新山下ランプ 73 コインの表と裏 横浜エリア みなとみらい外回り 新山下ランプ 74 走りのイメージ C1エリア C1外回り 芝公園ランプ 75 Z32 C1エリア C1内回り 汐留ランプ 76 もう一度 湾岸線エリア 湾岸線東行き 空港中央ランプ 77 いるべきその領域 横羽線エリア 横羽線下り 芝浦ランプ 78 つながる糸 C1エリア C1外回り 汐留ランプ 79 駄馬とサラブレッド C1エリア C1外回り 神田橋ランプ 80 自分のために 新環状エリア 新環状右回り 木場ランプ 81 地上の戦闘機 横浜エリア みなとみらい外回り 東神奈川ランプ 82 形態は機能に従う C1エリア C1外回り 汐留ランプ 83 今を認めるコト 湾岸線エリア 湾岸線西行き 大黒ふ頭ランプ 84 旋回性 C1エリア C1外回り 神田橋ランプ 85 ミッドシップ 横羽線エリア 横羽線上り 羽田ランプ 86 同乗 湾岸線エリア 湾岸線西行き 空港中央ランプ 87 気になる車 新環状エリア 新環状右回り 木場ランプ 88 自分の圧 横羽線エリア 横羽線下り 汐入ランプ 89 自分で起こした1 新環状エリア 新環状左回り 有明ランプ 90 人生にプレは無い 91 RX-7 C1エリア C1外回り 神田橋ランプ 92 直感 横浜エリアみなとみらい外回り 東神奈川ランプ 93 対極 横羽線エリア 横羽線上り 芝浦ランプ 94 速さの質 新環状エリア 新環状左回り 木場ランプ 95 反逆の天使 新環状エリア 新環状右回り 有明ランプ 96 東京ニュル 新環状エリア 新環状右回り 木場ランプ 97 首都高SPL 横羽線エリア 横羽線上り 汐入ランプ 98 インターセプター 湾岸線エリア 湾岸線西行き 臨海副都心ランプ 99 FDマスター 新環状エリア 新環状左回り 木場ランプ 100 心の奥の『不良性』 C1エリア C1外回り 神田橋ランプ
https://w.atwiki.jp/led-gallery/pages/221.html
行先のみ 有楽町線・副都心線 新木場 新宿三丁目 東武東上線 川越市 西武池袋線 所沢 東急東横線・東急新横浜線・みなとみらい線 元住吉 各駅停車(メトロ) 有楽町線・副都心線 和光市 地下鉄成増 小竹向原 池袋 市ケ谷 有楽町 銀座一丁目 豊洲 新木場 新宿三丁目 渋谷 東武東上線 森林公園 川越市 志木 西武池袋線 西武球場前 飯能 小手指 西所沢 所沢 清瀬 保谷 石神井公園 東急東横線・東急新横浜線・みなとみらい線 武蔵小杉 菊名 横浜 元町・中華街 各停(西武) 有楽町線・副都心線 和光市 地下鉄成増 小竹向原 千川 池袋 市ケ谷 有楽町 豊洲 新木場 新宿三丁目 渋谷 東武東上線 小川町 森林公園 川越市 志木 西武池袋線 西武球場前 飯能 入間市 小手指 西所沢 所沢 清瀬 保谷 石神井公園 練馬 東急東横線・東急新横浜線・みなとみらい線 武蔵小杉 元住吉 菊名 横浜 元町・中華街 各停(東急) 有楽町線・副都心線 和光市 新宿三丁目 渋谷 東武東上線 志木 西武池袋線 清瀬 保谷 石神井公園 東急東横線・東急新横浜線・みなとみらい線 武蔵小杉 菊名 元町・中華街 普通 有楽町線・副都心線 池袋 新木場 渋谷 東武東上線 森林公園 川越市 上福岡 志木 東急東横線・みなとみらい線 武蔵小杉 元町・中華街 準急 有楽町線・副都心線 新木場 東武東上線 森林公園 西武池袋線 飯能 小手指 所沢 保谷 石神井公園 練馬 池袋 東急東横線・みなとみらい線 元町・中華街 快速 有楽町線・副都心線 新木場 東武東上線 上福岡 西武池袋線 西武球場前 飯能 入間市 小手指 所沢 清瀬 練馬 東急東横線・みなとみらい線 元町・中華街 通急 有楽町線・副都心線 和光市 小竹向原 池袋 新木場 渋谷 東武東上線 森林公園 川越市 志木 西武池袋線 飯能 小手指 清瀬 保谷 石神井公園 東急東横線・みなとみらい線 武蔵小杉 元住吉 元町・中華街 急行(メトロ 旧ROM) 有楽町線・副都心線 和光市 小竹向原 池袋 新宿三丁目 渋谷 東武東上線 小川町 森林公園 川越市 西武池袋線 西武球場前 飯能 入間市 小手指 所沢 保谷 東急東横線・みなとみらい線 武蔵小杉 元住吉 元町・中華街 Fライナー急行(メトロ) 有楽町線・副都心線 小竹向原 新木場 新宿三丁目 東武東上線 森林公園 西武池袋線 飯能 小手指 所沢 東急東横線・みなとみらい線 元住吉 元町・中華街 急行(東武・東急) 有楽町線・副都心線 和光市 新木場 東武東上線 小川町 森林公園 川越市 志木 西武池袋線 飯能 小手指 清瀬 東急東横線・みなとみらい線 渋谷 武蔵小杉 元町・中華街 Fライナー急行(東武) 有楽町線・副都心線 新木場 東武東上線 森林公園 志木 東急東横線・みなとみらい線 元町・中華街 急行(メトロ・西武) 有楽町線・副都心線 和光市 小竹向原 池袋 新宿三丁目 渋谷 東武東上線 小川町 森林公園 川越市 志木 西武池袋線 飯能 小手指 所沢 清瀬 石神井公園 東急東横線・みなとみらい線 自由が丘 武蔵小杉 菊名 横浜 元町・中華街 快急(東武) 東武東上線 小川町 森林公園 志木 東急東横線・東急新横浜線・みなとみらい線 元町・中華街 Fライナー快急(東武) 東武東上線 小川町 森林公園 有楽町線・副都心線 新木場 東急東横線・東急新横浜線・みなとみらい線 元町・中華街 快急(西武) 有楽町線・副都心線 渋谷 西武池袋線 飯能 小手指 所沢 東急東横線・みなとみらい線 元町・中華街 Fライナー快急(西武) 西武池袋線 飯能 小手指 所沢 石神井公園 東急東横線・みなとみらい線 元町・中華街 通特 有楽町線・副都心線 和光市 池袋 新宿三丁目 渋谷 東武東上線 森林公園 志木 川越市 西武池袋線 飯能 小手指 所沢 清瀬 保谷 東急東横線・みなとみらい線 菊名 元町・中華街 特急 有楽町線・副都心線 和光市 小竹向原 池袋 新宿三丁目 渋谷 東武東上線 小川町 森林公園 川越市 西武池袋線 西武球場前 飯能 入間市 小手指 所沢 保谷 東急東横線・東急新横浜線・みなとみらい線 武蔵小杉 元住吉 横浜 元町・中華街 新横浜 Fライナー特急 有楽町線・副都心線 和光市 東武東上線 森林公園 西武池袋線 飯能 小手指 所沢 東急東横線・みなとみらい線 武蔵小杉 菊名 元町・中華街 直通先種別表示 有楽町線直通 地下鉄線内 各駅停車 副都心線直通 地下鉄線内 各駅停車 地下鉄線内 通勤急行 地下鉄線内 急行 地下鉄線内 F急行 渋谷・池袋方面 副都心線内 各駅停車 副都心線内 通勤急行 副都心線内 急行 副都心線内 F急行 渋谷・横浜方面 副都心線内 各駅停車 副都心線内 通勤急行 副都心線内 急行 副都心線内 F急行 渋谷方面 副都心線内 各駅停車 副都心線内 通勤急行 東武東上線直通 東上線内 各駅停車 東上線内 急行 東上線内 F急行 東上線内 快速急行 東上線内 F快急 西武線直通 西武線内 各駅停車 西武線内 準急 西武線内 快速 西武線内 快速急行 西武線内 F快急 東急線直通 東急線内 各駅停車 東急線内 急行 東急線内 通勤特急 東急線内 特急 東急線内 F特急 東急東横線直通(旧ROM) 東横線内 各駅停車 東横線内 急行 東横線内 通勤特急 東横線内 特急 東横線内 F特急 号車番号 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 その他 回送 試運転 2020/03/08 多数追加しました。 2021/02/11 多数追加しました。 2021/02/18 F急行新木場・所沢・F特急所沢を追加しました。 2021/05/31 各駅停車市ケ谷・豊洲・菊名を追加しました。 2022/06/12 準急石神井公園・練馬を追加しました。 2022/07/05 各駅停車西武球場前・西所沢・普通池袋・快急志木を追加しました。 2022/10/08 各駅停車横浜・快速所沢を追加しました。 2023/03/21 普通の色の調整を行いました。 2023/05/21 多数追加しました。 2024/07/31 各駅停車地下鉄成増・東上線内F快急を追加しました。 2024/08/14 特急新横浜を追加しました。
https://w.atwiki.jp/pararowa/pages/288.html
この醜く残酷で、美しく優しい世界(前編)◆Z9iNYeY9a2 オートバシン。 本来ファイズを護衛するために存在するそのバイクは、確かにファイズに変身する者の手元にあった。 しかし、変身するのは乾巧ではない。 本来ならばカイザに変身する草加雅人。オルフェノクを憎み抹殺を目的とした、乾巧とは程遠い人間性の男だった。 現状カイザギアの代用としているだけとはいえ、それらが草加雅人という男の元に揃っているのは何かの皮肉か、あるいは因果か。 ともあれ、オートバシンを走らせ病院へとたどり着いた草加。 そこには守るべき者が、例え他の何かを失おうとも守らなければならない女がいるはずの場所。 ――――真理……! 脳裏をよぎるのは、かつて彼女を守れずみすみす死なせてしまった、思い出すにはあまりに苦く辛い記憶。 あの時のような苦しみはもう味わいたくはなかった。 「待っていてくれ、真理。俺が絶対、守ってやる……」 病院に辿り着いた草加。 その中心に大きく入った亀裂に驚きつつも、オートバシンをそのまま乗り捨て病院内に駆け込んでいった。 ◇ 海堂の判断は早かった。 目の前に現れた木場勇治、ホースオルフェノクに対して、自身もスネークオルフェノクへと変身して掴みかかっていった。 「木場ァ!てめえ…!」 「海堂…!」 剣を振るうことができない懐に潜り込み、その武器を封じる。 しかしスネークオルフェノクの腕力ではホースオルフェノクを抑えきることはできない。 すぐさま振りほどかれ、体を掴み壁に叩きつけられた。 轟音と共に壁を砕き、その向こう側へと吹き飛ばされる海堂。 海堂から視線を外した木場は、視線を真理へと移す。 感情の見えない、馬を模した仮面にも見えるオルフェノク特有の瞳。 しかし真理はその奥に激しい憎悪を感じていた。 一歩ずつ静かに、まるで処刑人のごとく剣を携え迫る木場。 後ろが壁で逃げることができない真理。 灰色の剣は真理の体を切り裂かんと振り下ろされ――― 「木場ぁ!止めろぉ!!」 崩れた壁の向こうから飛び出してきた海堂が、咄嗟にその間に入り込んだ。 振り下ろされた大剣を、両手に構えた円形の刃で受け止める。 しかし、素の筋力において大きく差をつけられている海堂の刃は少しずつ下に押しやられている。 このままだと時間の問題で押し負けるだろう。その事実にいち早く気付いた海堂は咄嗟に木場の体を思い切り蹴り飛ばした。 不意打ちに近い一撃に、思わず木場は一歩後ろに下がる。 「行けお前ら!木場のやつは俺が何とかする!」 「で、でも、だったらあんたは―――」 「早く!そこにいる怪我人もさっさと連れて行け!邪魔だ!」 もうこの言葉を聞くのは一体何度目だろうか、と真理は思いながらも、しかしタケシが身動きの取れぬ今彼の命を守るために取れる選択肢など限られている。 見ると、Nは既にタケシの体を担いでいる。 もはやそうするしかないのか、と真理は部屋の出口に走り始めたNの後ろについて駈け出し。 「―――――!」 そんな真理達を見た木場はまるで逃がすかとでも言わんばかりに、彼女達へと注意を向け剣を振り上げる。 ホースオルフェノクの頭頂部に備わった一本の角が、まるでエネルギーを集める避雷針のごとく光とエネルギーを放ち始め。 次の瞬間振り下ろされた剣は地面を、壁を抉る三叉の衝撃波となって真理達へと襲いかかった。 海堂のすぐ目の前で分かれたその閃光は、海堂の後ろの真理へと向かって走る。 一つは海堂が体を張って受け止め。 残り一つは牽制だったのか反れた方へと走り。。 最後の一つが真理に向けて真っ直ぐと向かっていく。 それをNは真理を押し倒すことで、ギリギリのところで回避。 しかし衝撃でバッグの持ち手部分が切れ、バッグは地面に落ちてしまう。 素早く起き上がったNは、その事実に気づかずに真理を連れて去っていく。 そんな二人を更に追おうとした木場の前に、海堂が立ちふさがる。 「おい、木場。どういうことだよおい。一から全部説明しやがれ!」 「どうもこうもない。俺は人間であることを捨て、オルフェノクとして生きることを決めた。 そのためにも、園田真理だけはこの手で殺さなければならない」 「―――――っ、お前、本当に木場なのか?!」 木場の口から放たれたそのあまりに激しい言葉に思わず誰かが化けているのではないかとも疑う海堂。 「ああ、俺だ。かつて君と結花と一緒に人間と共存する道を理想として、しかしその理想に裏切られた、愚かなオルフェノクだよ」 「裏切られた…?お前何言ってんだよおい」 「君はあの戦いの記憶を持っていないんだな。なら教えてやる。 俺が見た裏切りを、人間から――園田真理から受けた絶望を、全部」 剣を下ろした木場は、静かに語り始めた。 自身を変えたもの、そして全てを失った先に見たものを。 ◇ Nは階段を駆け下りながら自身の手に握ったリザードンのモンスターボールを握りしめていた。 もしあそこでリザードンを出していれば、果たして海堂は逃げられただろうか。 少なくとも、足手まといとしてこうして逃げまわるようなことだけはなかったはずだ。 肩の上で心配そうに見つめるピカチュウにあるいは攻撃をお願いすることもできたかもしれない。 なのに、できなかった。何故か。 あの時、病室に現れたあの木場勇治なる人物を見た時。 まるでポケモンの声を聞く時のように、うっすらと彼の心にある想いを感じ取ったように思ったのだ。 そこにあったのは深い悲しみ。 信じていた理想を裏切られた深い失望、そしてその空洞を埋める大きな憎しみ。 何故彼の心を感じ取れたのかは分からない。 人間ではないからだろうか?オルフェノクがポケモンと近い存在だとでもいうのだろうか? それとも、人から離れてしまった存在であるからだろうか? ミュウツーやニャースのように、人語を介し人へと歩み寄った存在とは異なるからだと? 分からない。 ただ、あの時Nがその深い感情の中から感じたもの。 それは、かつてあの城の部屋の中で過ごしたポケモン達が抱いていた人間に対する想いにとても近かったのだ。 だから、戦うことを躊躇ってしまった。 ポケモンでもない、むしろ人間に近い存在であったにも関わらず。 その結果が、今のこの状態だ。 果たしてこれで良かったのだろうか? 答えは出ず、迷いと後悔が募っていく。 あの時、ゾロアークが様子を見に行くと言って傷ついて帰ってきた時も、もしゾロアークを無理やりにでも引き止めていればこんなことにはならなかったのでは? と、ゾロアークのことを考え始めて気付いた。 (…!バッグがない…!?) ずっと肩に掛けていたはずのバッグがなくなっていた。 病室にいた時に持っていたことは確かだ。だとすると逃げる途中で落としてしまったというのだろうか。 あの中にはゾロアークや各種回復アイテムを始め、タケシのピンプクの残した石や双眼鏡などの道具も入っていた。 中でもゾロアーク、自身のトモダチ。 彼は何としても探さなければならない―――― 「N、どうしたの?」 「………」 しかし、そのためには真理やタケシを危険に晒すことになってしまう。 今戻れば、残って戦っている海堂の覚悟を無駄にすることになる。 「ピカ!」 そんなNの思いを察したのか、肩に乗ったピカチュウが答えた。自分が戻りモンスターボールだけでも取ってくる、と。 一瞬お願いしそうになった後すぐに思い返す。 さっきもそうやって見送っていった結果、ゾロアークは大きなダメージを負ってしまったのだ。あの時と同じ轍を踏むわけにはいかない。 「くっ…。ゾロアーク……」 最善と思える答えが最悪の結果をもたらす未来しか見えない。 だから、Nは最悪の選択だとしても、少しでも最善の道を選ぶために。 ゾロアークを、トモダチの元に戻ることを諦めた。 ◇ コンクリートの破砕音が響く病院内を焦ったように走る草加雅人。 もしかしたら手遅れだったのかと焦りつつも院内に入った彼を出迎えたのは仮面をつけた怪しい大男だった。 あまりに怪しい風貌に一瞬警戒するも、彼の話を聞いてそれどころではいられなくなっていた。 その男、ゲーチスは病院の中で人探しをしていたところでいきなり大きな音と共に病院を切り裂く光の刃が見えたという。 そしてその刃の切れ目を駆け上がっていく灰色の影を見たと同時に、その先に探し人とボロボロの少女がいたと言っていた。 ボロボロの少女、それがきっと園田真理だろうと草加は直感した。 「彼女を見たのはどこか分かりますか!?」 「もう少し先の、切断面付近の上の階です。しかしあそこには一人のオルフェノクがいます。とても危険ですよ」 「大丈夫だ!俺には戦う力がある!早く行かないと真理が…!」 そのオルフェノクが誰であるのかまでは考えていない。そもそも考える余裕などない。 木場勇治か、北崎か、村上峡児か、あるいはそれ以外の誰かか。 誰でもいい。そんなことは真理と合流するまでは重要じゃない。 決して狭くはない病院内、構造も若干自分の知識の中にあるものとは異なっていてやりづらくもあった。 その中を、草加は走っていた。 美国織莉子から聞いた未来、憔悴した真理の顔。 そう、真理にはそんな顔は似合わないのだ。もっと彼女は笑顔でいなければいけないのだから。 この時の草加雅人は、焦りから冷静さを失っていたのだろう。 もし彼がもう少しでも慎重に行動していれば。そして後ろを歩く男から感じていたその怪しさから同行を拒否していれば。 あるいはもう少し違う未来を見られたのかもしれない。 ◇ 「これが、俺が人間を見限った理由の全てだ」 木場は全てを話した。 私欲のためだけにファイズギアを求める人間。 オルフェノクが罪を犯したというだけで理由も聞かずに悪と決めつける人間。 そして、決定的だった、親しくしていた園田真理の裏切り、そしてその結果失ったものを。 そこから見た絶望を。 「だから悪いことは言わない。海堂、君も俺と一緒にこい。 人間として生きていては、オルフェノクである俺たちに幸せなんてない」 「木場…、それ本当なのか?」 思いを押し込めたような声で問いかける海堂。 それは木場の言葉を疑うというよりはむしろ確かめようとしているようだった。 「ああ、本当だ。俺達が守ろうとしたものには守る価値なんてなかったんだ」 「…それで、お前は啓太郎のやつも殺したってのか?」 「彼も人間であることには変わりなかった。 それに、彼はオルフェノクにはならなかった。俺達と一緒には行く資格を持たなかった。それだけのことだ」 「………」 押し黙る海堂。 そんな彼を見ながら、木場は最後の問いかけを投げかけた。 「君の答えを聞かせてくれ。俺も君を進んで殺したくはない」 「つまりお前はよ。 ここでお前に殺されるか、それとも俺もお前の仲間になってオルフェノクとして人間を殺すかを選べっつーんだよな?」 「その通りだ」 「そうかい」 はぁ、と手を下ろし力を抜く海堂。 「こぉんのバカヤロウ!!!!」 叫ぶと同時に、その下ろされたはずの拳は真っ直ぐに木場の顔へと飛びかかっていた。 本来ならばそんな一撃にびくともすることのないはずのホースオルフェノクの顔面を、その身では踏みとどまれないほどの強い衝撃が捉え体ごと吹き飛ばした。 倒れこんだ木場の上にマウントをとるように乗りかかった海堂は、そのまま襟首に当たる部分を掴み、顔を正面から近づけて叫ぶ。 「木場、俺はなぁ…、お前のように生きてみたいと思ってたんだよ。 俺みたいに根無し草でその日その日を精一杯生きるように生きてるやつにはなぁ、お前の大きな理想に生きる顔ってのはすげえって思ってたんだよ、ずっと尊敬もしてたんだよ。 なのによぉ、何でそんなに簡単にその理想を捨てられるんだよ!」 「君は!君達を失って信頼してたものにも裏切られた俺が見た絶望を知らないからそんなことが言えるんだ!だから俺はそんなものを見せられる前に一緒に行こうと―――」 「お前の理想は俺の命より軽かったのかよ!」 その言葉に、木場の言葉が思わず止まる。 叫ぶ海堂の手は震え、真っ直ぐに見つめるその瞳には怒りと悲しみの混じったものが渦を撒いているようでもあった。 「お前の理想は、そりゃバカみてえに果てしないし俺からしちゃできっこねえってずっと思ってたよ。 だけど、お前ならそれでもやってくれるんじゃねえかって感じさせてくれるものがあったんだよ。 だからもしそれに付き合った俺が死ぬようなことがあっても、お前なら乗り越えてくれるって思ってたんだよ!」 真理が木場を裏切ったということ、その真意に関しては今の海堂には問題ではなかった。 真理を見る限りそのような素振りはなかったが、しかしそれが木場の嘘とも思えなかった。 今真実であるのは、木場がそういったことを経験し、その結果理想を捨てたのだということ。 だというのに、それに対する木場の反応は。 「―――…くだらない」 たった一言。 それだけで海堂の信じていたもの、それまで自分が信じていたはずのもの。 それらを全て切り捨てていた。 その一言は海堂の木場に対する思いを怒りで占めるに十分なものだった。 「てめえええええええええええええええええ!!!」 怒りに任せて拳を下ろした海堂に対し。 木場は驚くほど冷静に、その手に魔剣を生成。迫る海堂の体をカウンターのように剣で突いた。 胸部を突かれ弾き飛ばされる海堂。 そこに木場は、容赦なく剣を振り上げ、先に放った衝撃波と同じものを海堂に向けて放った。 病院のコンクリート製の地面を、壁を抉り、閃光が海堂へと衝突。 その衝撃は海堂のみならず、病院の床を、壁を破壊しその一角に巨大な穴を開けていた。 海堂の姿はない。きっと下の階に落ちたのだろう。 追って彼の生死を確かめトドメを刺すべきか。一瞬考えた後、結局追わないことにした。 迷いか、情けか。それとも今の一撃で海堂の命を奪ったと確信してるからか。 思うところはあったが、それ以上深く考えることはしなかった。 踵を返し園田真理が逃げ去った方を向く。 まだ病院の中にいるだろうか。それとももうここの外に出てしまっているだろうか。 どちらにしても、怪我人を背負った彼らがそう遠くまで逃げられるとは思えない。追いつくのにそう時間はかからないだろう。 上の階と下の階、どっちに逃げたか。 耳を澄ますと、オルフェノクの高まった聴覚は幾つかの足音を拾った。 逃した彼らのものと思われるものの他にもう何人かのもの。 だが彼らの逃げた方向を考えればどっちが追うべきものなのかは想定がつく。 そのまま木場勇治は、抹殺すべき者がいるであろう方に向かって駆け始めた。 ◇ 意識がはっきりしない。視界もかなりぼやけている。 ただ、今自分は誰かに背負われており、その人も走っているのだろうということは分かった。 一緒にいるのは真理さんとNだろう。 そして追っている者は……誰なのだろう。 俺が気絶している間に何があったのだろうか。 分からないが、今はかなり切羽詰まった状況らしいということだけは分かる。 ふと記憶をよぎったのは、意識を失う直前に見た最後の光景。 青い光に拘束された自分の体、体を貫こうと飛び上がった黒い存在。 そして、その間に割り込んだピンプク。 思い出して気付く。 そうか、ピンプクはもういないんだな、と。 ピンプクが命を張って守ったというのに、結局またこんな危険に陥っている。 ピンプクが死んだのは、俺がキチンとしていなかったせいではないのか。 俺が寝てさえいなければ、もっとマシな状況になったのではないのか。 自責と後悔の念が心を埋め尽くした時、薄く開いた視界がぼんやりとクリアになっていった。 「真理…さん…」 「タケシ!?目が覚めたの!」 「今…どうなって……」 「喋っちゃダメ!あんた怪我がまだ治ってないんだから!」 意識を取り戻したタケシを気遣い、真理とNは一旦足を止める。 思い返せば、重症の人間を抱えた状態で走り回るというのはその傷の状態を悪化させるのではないかと気付くのが少し遅かった。 止むを得ない状況だったといえばそれまでではあるが。 「ピカピ…」 病院に置かれたソファの上にタケシを横たえる。 あくまでもタケシの状態を確認するだけ、ほんの数分だけ立ち止まるだけのつもりだ。 「真理さん……、水を…」 「水ね、ちょっと待って!」 と、タケシの頼みにバッグを弄りペットボトルを取り出す真理。 開封し、ほんの一口ほど口に水を含ませた。 同時にNはタケシの傷の状態を確かめる。 「…大丈夫だ、少なくとも逃げる際の衝撃で傷が悪くなっている様子はない」 「良かった…、じゃあタケシ、もう少しだけ我慢して。すぐに楽にできる場所まで連れて行ってあげるから」 と、真理の言葉に合わせてゆっくりとタケシの体を持ち上げたN。 すると、その時遠くから激しい轟音が鳴り響いた。それはさっき自分たちに向けて放たれた衝撃波のものと同じようにも聞こえる。 同時にコンクリートの砕ける音が聞こえ、その後は病院内を静寂が包んでいた。 「…急ごう、きっとあの木場勇治という人物が、海堂を……」 「……っ」 顔を伏せる真理。 海堂でも木場を止めることはできなかった。 きっと、海堂はよりにもよって彼の手にかかったということになる。 「…真理さん、Nさん、俺を連れて、…追ってくる人から逃げることはできますか?」 ふと、タケシが呟いた。 顔色も悪く、息も絶え絶えの様子で呻くような小声だったが二人はそれを聞き逃すことはない。 「何言ってるのよ!できるかできないかじゃなくて、逃げるのよ! 大体私なんて一万人の敵に囲まれた状態で生き残ったことあるのよ、これぐらいのことだって乗り越えてみせるわよ!」 「………」 「大丈夫よ、黒い巨人に襲われた時も桜ちゃんがおかしくなった時も逃げられたんだから。 だから、みんなで生き延びるのよ。私も、タケシも、Nも、みんなで」 みんなで生き延び、誰も死なせない。 啓太郎、ナナリー、そしてもしかすると海堂。 多くの友人を、仲間の死を経てきた真理の、強い思いだった。 「……そうですね、じゃあ、もしここから逃げたら、俺とデートとかしてくれませんか? 遊園地みたいな、みんなでワイワイ遊べるようなところで。別に二人じゃなくてもいいです、真理さんのお友達とか、N君とか、ポケモンのみんなも連れて」 「こんなときに何言っ――――いいわよ、ここから出られたらデートでも何でも行ってあげるわよ、だから―――」 「それじゃあ、…真理さん。グレッグルのボールを、ください。ここから安全に出られる方法があります」 「ボールならあんたのポケットに……あった、これね」 と、タケシの服のポケットからモンスターボールを取り出す真理。 そしてグレッグルを呼び出したタケシは、心配そうな顔でこちらを見るグレッグルを静かに引き寄せる。 そしてそのまま、おそらくはグレッグルにしか聞こえないような小声で何かを呟いた。 ゲッ、とまるで驚くかのような鳴き声を上げるグレッグル。 「さあ、行くんだ」 「…タケシ?」 怪訝そうな顔でタケシに近付く真理。 それとは対照的に、タケシの元から離れるグレッグル。 そして、スタスタと真理の元に近付いたグレッグルは。 ―――ーその手を紫色に光らせ、真理の腹に思いっきり拳を叩き込んだ。 →